遺言執行者とは?選任方法や権限、相続人との関係を解説

遺言執行者とは、遺言に書かれた内容を実現するために、相続財産の管理など、必要な行為を行う人です。遺言者があらかじめ指定することもできますが、指定がない場合に家庭裁判所が選任することもあります。

遺言執行者とは

遺言の内容を実現する人

遺言は、遺言者が亡くなっただけで、すべての手続きが自動的に完了するとは限りません。たとえば、遺言で特定の財産を第三者に与えると定めている場合、その財産を引き渡すための手続きが必要です。

遺言執行者は、こうした遺言の実現に必要な行為を行います。遺言執行者が権限の範囲内で行った行為は、相続人に対して直接効力を生じます(民法1015条)。

必ず選任しなければならないわけではない

遺言執行者は、必ず置かなければならないわけではありません。指定されていない場合は、相続人が遺言の内容を実現することになります。ただし、手続きを進めるため、遺言で遺言執行者を指定しておくことができます。

遺言執行者の選任方法と資格

遺言で指定する方法

遺言者は、遺言によって1人または複数人の遺言執行者を指定できます(民法1006条1項)。相続人を指定することも、相続人以外の人を指定することも可能です。また、遺言執行者の指定を第三者に委託することもできます。

家庭裁判所に選任してもらう方法

遺言で遺言執行者が指定されていない場合でも、利害関係人は、家庭裁判所に選任を請求できます(民法1010条)。つまり、選任方法には遺言者が指定する方法と家庭裁判所に選任してもらう方法があります。

遺言執行者になれない人

未成年者と破産者は、遺言執行者になれません(民法1009条)。一方、相続人であること自体は欠格事由ではなく、相続人や相続人以外の人が遺言執行者になることができます。

遺言執行者の権限と相続人との関係

遺言の執行に必要な行為を行う権限がある

遺言執行者は、相続財産を管理するほか、遺言の内容を実現するために必要な一切の行為をする権利義務を有します(民法1012条1項)。ただし、具体的な権限の範囲は、遺言の内容と、その実現に必要な行為かどうかによって決まります。

遺言執行者がいる場合の遺贈の履行

遺贈とは、遺言によって財産を与えることです。遺言執行者がいる場合、遺贈の履行は遺言執行者のみが行えます(民法1012条2項)。相続人が代わって履行することはできません。

相続人は遺言の執行を妨げてはならない

遺言執行者がいる場合、相続人は、相続財産を処分するなど、遺言の実現を妨げる行為をしてはなりません(民法1013条1項)。このような行為は無効とされます。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することはできません(同条2項)。

まとめ

遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために必要な行為を行う人です。遺言者は遺言で指定でき、指定がなければ利害関係人の請求により家庭裁判所が選任できます。相続人も就任できますが、未成年者と破産者はなれません。遺言執行者がいる場合、相続人は遺言の執行を妨げる相続財産の処分などをしてはならない点に注意が必要です。