疑似発起人とは?発起人とみなされる要件と責任を解説

疑似発起人とは、募集設立において、募集広告その他の募集に関する書面または電磁的記録に、自己の氏名または名称と株式会社の設立を賛助する旨を記載・記録することを承諾した、発起人以外の者をいいます。一定の要件を満たすと、法律上は発起人とみなされます。

この記事では、疑似発起人とみなされる条件と、発起人と同じように負う責任を説明します。

スポンサーリンク

疑似発起人とは

募集設立で発起人とみなされる者

疑似発起人は、会社法103条4項に定められています。対象となるのは、発起人以外の者から設立時発行株式を募集する募集設立です。

発起人との違い

募集設立では、各発起人が必ず1株以上の設立時発行株式を引き受けなければなりません。一方、疑似発起人は発起人ではありませんが、一定の表示または記録を承諾することで、発起人とみなされます。

疑似発起人とみなされる要件

次の条件をすべて満たす必要があります。

  1. 募集設立における設立時発行株式の募集に関すること
  2. 募集広告その他の募集に関する書面または電磁的記録に、本人の氏名または名称と「株式会社の設立を賛助する旨」が記載または記録されること
  3. 本人が、その記載または記録を承諾していること
  4. 本人が発起人ではないこと

この要件を満たした者は、疑似発起人として、発起人と同じ責任を負います。疑似発起人に関する規定は、募集設立におけるものです。

疑似発起人が負う責任

疑似発起人は、発起人と同じ責任を負います。具体的には、次のような責任があります。

現物出資などの不足額を支払う責任

会社成立時における現物出資財産などの価額が、定款に記載または記録された価額に著しく不足するときは、その不足額を会社に支払う責任があります。この責任は現物出資財産などが対象で、金銭出資については生じません。

仮装払込みに関する責任

実際には出資していないのに、出資したように見せる仮装払込みを行った場合や、これに関与した場合は、仮装された出資について履行する責任を負います。金銭の払込みを仮装した場合はその全額を支払い、金銭以外の財産であれば、その財産の全部を給付するか、代わりに金銭全額を支払います。

任務懈怠による会社への損害賠償責任

設立に関する任務を怠り、会社に損害を生じさせた場合は、損害賠償責任を負います。発起人、設立時取締役および設立時監査役のいずれにも任務懈怠があった場合は、これらの者が連帯して責任を負います。

第三者に対する損害賠償責任

設立に関する職務について悪意または重大な過失があり、会社債権者などの第三者に損害を与えたときは、その損害を賠償する責任があります。

会社が成立しなかった場合の責任

会社が成立しなかった場合も、疑似発起人は発起人と同様に、設立に関して行った行為について責任を負い、設立に関して支出した費用を負担します。

このように、疑似発起人は、募集広告その他の募集に関する書面または電磁的記録への表示・記録を承諾することで、発起人と同じ責任を負うことがあります。