組織変更とは、会社の法人格を維持したまま、株式会社を持分会社へ、または持分会社を株式会社へ変更する手続です。合併や会社分割のように、別会社へ権利義務を移転したり、会社を消滅させたりするものではありません。
ここでは、株式会社から持分会社へ組織変更する場合を中心に、手続の流れを解説します。
組織変更とは?組織再編との違い
組織変更は、会社の種類だけを変更する手続です。会社そのものが別の法人になるわけではなく、同じ会社としての同一性は保たれます。
なお、合名会社から合資会社へ変更するなど、持分会社同士で種類を変える場合は、会社法上の「組織変更」ではなく、定款変更の問題となります。
株式会社から持分会社へ組織変更する手続
1.組織変更計画を作成する
まず、組織変更後の会社の種類に応じた定款事項や、組織変更後の社員に関する事項などを定めた組織変更計画を作成します。これが手続の出発点です(会社法743条、744条)。
2.書面を本店に備え置く
次に、組織変更計画に関する書面などを会社の本店に備え置き、株主や債権者に事前に開示します。株主や債権者が、組織変更の内容を確認できるようにするためです(会社法775条)。
3.総株主の同意を得る
組織変更計画について、効力発生日の前日までに総株主の同意を得なければなりません(会社法776条)。一部の株主の同意では足りず、すべての株主の同意が必要です。
株主総会の特別決議で承認すればよい手続ではない点に注意しましょう。
4.債権者保護手続を行う
組織変更をする旨と、債権者が一定期間内に異議を述べられる旨を官報で公告します。また、知れている債権者には、個別に催告しなければなりません(会社法779条)。
組織変更の効力発生と効果
組織変更計画で定めた効力発生日になると、会社は株式会社から持分会社へ変わります。それまでの株式会社の株主は、組織変更後の持分会社の社員となります(会社法745条1項、2項)。
まとめ
- 組織変更は、法人格の同一性を維持して会社の種類を変える手続
- 株式会社から持分会社へ変更するには、組織変更計画を作成する
- 計画に関する書面を本店に備え置き、株主や債権者に事前開示する
- 効力発生日の前日までに、総株主の同意を得る必要がある
- 官報公告や知れている債権者への個別催告も必要となる
