株式会社の成立による効果とは?株主となる時期と株式引受けの取消しを解説

株式会社は、定款を作成したり出資を受けたりしただけで成立するわけではありません。本店所在地で設立登記をすることで、はじめて法律上の株式会社となります。

では、発起人や設立時募集株式の引受人が株主になるのはいつでしょうか。また、株式の引受けを後から取り消すことはできるのでしょうか。ここでは、株式会社の成立によって生じる効果を、株主となる時期と株式引受けの無効・取消しに分けて説明します。

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株式会社は設立登記によって成立する

会社法49条により、株式会社は本店所在地における設立登記によって成立します。したがって、定款の作成、出資の履行、募集設立における創立総会などが終わっていても、登記前は株式会社として成立していません。

株主となる時期

株式会社が成立すると、次の者が株主となります(会社法50条1項、102条2項)。

  • 出資の履行をした発起人
  • 設立時募集株式を引き受け、払込みをした者

発起人は、出資を履行したうえで、株式会社の成立時に株主となります。一方、募集設立における設立時募集株式の引受人は、引受けをして払込みを済ませても、会社が成立するまでは株主ではありません。会社の成立によって、株主となります。

なお、払込期日または払込期間内に払込みをしなかった引受人は、株主となる権利を当然に失います(会社法63条3項)。

株式引受けは成立後に無効・取消しを主張できるか

心裡留保・虚偽表示による無効主張はできない

設立時発行株式や設立時募集株式の引受けには、民法上の心裡留保・虚偽表示に関する規定が適用されません(会社法51条1項、102条5項)。そのため、「本当は引き受けるつもりがなかった」といった事情などを理由に、株式引受けの無効を主張することはできません。

錯誤・詐欺・強迫による取消しには時期による制限がある

発起人は、株式会社の成立後、錯誤・詐欺・強迫を理由として設立時発行株式の引受けを取り消せません(会社法51条2項)。

設立時募集株式の引受人も、株式会社が成立した後、または創立総会などで議決権を行使した後は、同じ理由による取消しができません(会社法102条6項)。したがって、成立後に「想定していた内容と違う」「だまされていた」と感じても、当然に引受けを取り消せるわけではありません。

制限行為能力を理由とする取消し

もっとも、制限行為能力者であることを理由とする設立時発行株式の引受けの取消しは可能です。錯誤・詐欺・強迫による取消しが制限されるルールとは別に整理する必要があります。

株式会社の成立による効果のまとめ

  • 株式会社は、本店所在地で設立登記をした時点で成立する
  • 出資を履行した発起人は、会社の成立によって株主となる
  • 設立時募集株式の引受人は、払込みをしたうえで、会社の成立によって株主となる
  • 払込みをしなかった引受人は、株主となる権利を失う
  • 成立後は、株式引受けの無効・取消しが大きく制限される
  • ただし、設立時発行株式の引受けについて、制限行為能力を理由とする取消しは可能である