監査等委員会は、取締役の職務執行を監査する機関です。監査役と異なり、監査等委員は取締役として取締役会にも参加します。本記事では、監査等委員会の職務と、監査等委員に認められる主な権限を解説します。
監査等委員会とは?設置会社における位置付け
監査等委員会設置会社の意味
監査等委員会設置会社とは、定款の定めによって監査等委員会を置く株式会社です(会社法2条11号の2、326条2項)。監査等委員会は、取締役の職務執行を監査します。
監査役が取締役会の外側から監査するのに対し、監査等委員である取締役は、取締役会と監査等委員会の両方に参加します。そのため、取締役会の構成員として取締役の職務執行を監督・監査する立場といえます。
監査等委員の人数・構成
監査等委員である取締役は3人以上必要で、その過半数は社外取締役でなければなりません(会社法331条6項)。また、監査等委員である取締役と、それ以外の取締役は区別して株主総会で選任されます(会社法329条2項、399条の2第2項)。
監査の独立性を保つため、監査等委員である取締役は、その会社もしくはその子会社の業務執行取締役、支配人その他の使用人、またはその子会社の会計参与もしくは執行役を兼ねることができません(会社法331条3項)。
監査等委員会の職務
取締役の職務執行の監査と監査報告の作成
監査等委員会は、すべての監査等委員で組織されます(会社法399条の2第1項)。取締役の職務執行を監査し、その結果を監査報告にまとめます。会計参与設置会社では、取締役に加えて会計参与の職務執行も監査対象です(同条3項)。
会計監査人に関する議案内容の決定
株主総会に提出する、会計監査人の選任・解任や、再任しないことに関する議案の内容を決定します。
取締役の選任・解任・報酬に関する意見の決定
監査等委員会は、監査等委員以外の取締役について、選任・解任・辞任に関する意見や、報酬等について株主総会で述べる意見を決定します。
監査等委員に認められる主な権限・義務
調査・報告を求める権限
監査等委員は、取締役などに職務執行について報告を求め、業務や会社財産の状況を調査できます(会社法399条の3第1項)。子会社についても、事業の報告を求めたり、業務・財産の状況を調査したりできます(同条2項)。なお、これらの権限は、監査等委員会が選定した監査等委員が行使する場合もあります。
問題を発見した場合の報告義務
取締役に不正行為などがあると認められる場合、監査等委員は取締役会へ報告しなければなりません(会社法399条の4)。また、取締役の提出議案に法令違反などがあると認められる場合は、株主総会への報告が必要です(同法399条の5)。
取締役の行為を差し止める権限
監査等委員は、取締役の行為について差止めを請求できます(会社法399条の6)。
会社を代表して訴訟を行う権限
会社と監査等委員以外の取締役との間で訴訟を行う場合、監査等委員会が選定した監査等委員が会社を代表します(会社法399条の7第1項2号)。
まとめ
監査等委員会は、取締役である監査等委員によって構成され、取締役の職務執行を監査します。報告を求める権限や調査権、取締役の行為の差止請求権を持つだけでなく、問題を発見した場合には取締役会や株主総会へ報告する義務も負っています。
