場屋営業者の責任とは?旅館や飲食店の預かり物が壊れた場合を解説

旅館や飲食店などに荷物を預け、その荷物が壊れたり、なくなったりした場合、場屋営業者に損害賠償を請求できることがあります。もっとも、荷物を店側に預けたのか、自分で管理しながら店内に持ち込んだのかで、責任の成立条件は異なります。

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場屋営業者とは?預かり物の損害に責任を負う事業者

場屋営業者に該当する事業者

場屋営業者とは、旅館、飲食店、浴場など、客の来集を目的とする場所で営業する事業者をいいます。このような場所で行われる取引が場屋営業です。

責任が問題になる2つのケース

  • 客が店側に預けた物品が、なくなったり壊れたりした場合
  • 預けてはいない物品が、店側の不注意によってなくなったり壊れたりした場合

預けた荷物が壊れた場合は、場屋営業者が原則として賠償責任を負う

不可抗力を証明できなければ免責されない

客から預かった物品が滅失・損傷したとき、場屋営業者は原則として損害賠償責任を負います。責任を免れるには、不可抗力が原因だったことを場屋営業者側が証明しなければなりません。

預けていない持ち物でも注意不足があれば責任を負う

客が場屋内に携帯した物品でも、場屋営業者が注意を怠ったために滅失・損傷した場合は、損害賠償責任が生じます。この場合は、場屋営業者に注意不足があったかがポイントになります。

免責表示だけでは責任を免れない

店内に預かり物について一切責任を負わないと掲示していても、その表示だけで場屋営業者が商法上の責任を免れることはできません。

高価品には例外がある|種類と価額を伝えて預ける必要がある

貨幣、有価証券その他の高価品は、通常の荷物とは扱いが異なります。客がその種類と価額を通知して場屋営業者に寄託した場合を除き、場屋営業者は原則として滅失・損傷の責任を負いません。

場屋営業者に対する損害賠償請求には期間制限がある

場屋営業者に対する損害賠償請求に係る債権は、原則として次の時点から1年間行使しないと、時効によって消滅します。

  • 預けた物品が返還された場合:返還された時
  • 持ち込んだ物品の場合:客が物品を持ち去った時
  • 物品が全部なくなった場合:客が場屋を去った時

ただし、場屋営業者が物品の滅失・損傷について悪意であった場合、この1年間の期間制限は適用されません。

まとめ

  • 預けた荷物が壊れた場合、場屋営業者は不可抗力を証明できなければ賠償責任を負う
  • 預けていない持ち物でも、場屋営業者の注意不足が原因なら責任が生じる
  • 免責表示があっても、当然に責任を免れることはできない
  • 高価品は、種類と価額を通知して寄託しなければ原則として賠償の対象外となる
  • 請求に係る債権には原則として1年間の期間制限がある