株主による検査役選任申立てとは?要件と手続を解説

株式会社の業務執行に不正や重大な法令違反などの疑いがある場合、一定の株主は、裁判所に検査役の選任を申し立てることができます。検査役選任申立ては、会社の業務や財産の状況を調査させるための株主の監督権の一つです。

この記事では、検査役選任申立ての意味、必要な要件、申立ての基本的な内容を解説します。

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株主による検査役選任申立てとは

検査役選任申立ての意味

検査役選任申立てとは、会社の業務執行について不正の行為や、法令・定款に違反する重大な事実があると疑われるときに、株主が裁判所へ検査役の選任を求める手続です(会社法358条1項)。

検査役の選任により、会社の業務および財産の状況を調査させることができます。

どのような場面で利用される制度か

たとえば、会社の業務執行について不正の疑いがある場合や、会社の運営について法令または定款に違反する重大な事実が疑われる場合に利用が検討されます。

申立てには、不正や重大な違反があることを疑うに足りる事由が必要です。

検査役選任申立ての要件

業務執行について不正・重大な違反を疑う事情があること

申立てには、会社の業務執行に関して、次のいずれかに該当する事実を疑うに足りる事由が必要です。

  • 不正の行為があること
  • 法令に違反する重大な事実があること
  • 定款に違反する重大な事実があること

一定数以上の株式または議決権を有すること

申立てができるのは、次のいずれかの要件を満たす株主です。

  • 総株主の議決権の100分の3以上を有する株主
  • 発行済株式の100分の3以上を有する株主

「議決権の3%」と「発行済株式の3%」は別々の基準です。どちらか一方を満たせば足ります。

要件を満たさない場合との違い

株式数や議決権が3%に達していなければ、不正の疑いがあっても、会社法358条1項に基づく検査役選任申立てはできません。一方、3%以上を有していても、不正などを疑うに足りる事由がなければ要件を満たしません。

検査役選任申立ての手続

裁判所に申し立てる

検査役の選任を求める相手は、会社や取締役ではなく裁判所です。申立てでは、株式または議決権の保有割合に加え、不正や重大な法令・定款違反を疑う事情を示します。目的は、会社の業務および財産の状況を調査させることです。

検査役の調査

検査役が選任されると、会社の業務および財産の状況について調査が行われます。

まとめ:検査役選任申立ては一定の株主が裁判所に求める調査手続

検査役選任申立ては、会社の業務や財産の状況を調査させるための株主の監督権です。申立てには、次の2つの要件が必要です。

  • 業務執行について、不正または法令・定款違反の重大な事実を疑うに足りる事由があること
  • 総株主の議決権または発行済株式の3%以上を有すること

これらを満たす株主は、裁判所に検査役の選任を申し立てることができます。検査役が選任されると、会社の業務および財産の状況について調査が行われます。