結論として、商人間の売買では、買主が売買の目的物の受領を拒んだり、受領できなかったりした場合、売主は目的物を供託できます。また、相当の期間を定めて催告したうえで、目的物を競売に付すことも可能です。
このルールは商法524条に定められています。ただし、供託と競売では必要な手続が異なるため、注意が必要です。
買主が受け取らないとき、売主は供託・競売できる
商法524条が適用される条件
商法524条が問題となるのは、次の条件を満たす場合です。
- 売買が商人間の取引であること
- 買主が売買の目的物の受領を拒んだこと
- または、買主が目的物を受領できないこと
ここで問題となるのは、買主が代金を支払わないことではなく、商品の受領拒否または受領不能です。代金の不払いだけで、直ちにこの規定が適用されるわけではありません。
売主が選べる2つの方法
- 目的物を供託する
- 相当の期間を定めて催告した後、目的物を競売に付する
供託と競売を行う際の手続と条件
目的物を供託する場合
買主が受け取らない、または受け取れない目的物を供託します。
供託をした後は、遅滞なく、買主に供託した旨を通知しなければなりません。
目的物を競売に付する場合
競売を選ぶときは、まず買主に対して、相当の期間を定めて催告します。その後、目的物を競売に付することができます。
競売に付したときも、売主は遅滞なく、買主にその旨を通知する必要があります。また、競売によって得た代価は供託しなければなりません。
ただし、供託した代価の全部または一部は、本来得られるはずであった売買代金に充当できます。
売主が供託・競売をする際の注意点
- 商法524条は、商人間の売買に適用される
- 問題となるのは、買主の代金不払いではなく、目的物の受領拒否または受領不能である
- 競売には、相当の期間を定めた催告が必要である
- 供託または競売の後は、遅滞なく買主へ通知する必要がある
- 競売代金は供託し、全部または一部を本来の売買代金に充当できる
まとめ
商人間の売買で買主が目的物を受け取らないとき、売主は目的物を供託できます。また、相当の期間を定めて催告した後であれば、目的物を競売に付すことも可能です。
供託・競売を行った場合は、遅滞なく買主へ通知しなければなりません。手続を進める際は、双方が商人に当たるか、受領拒否・受領不能の事実があるか、競売前の催告が適切かを確認することが重要です。
