発起人や設立時役員の第三者に対する責任とは?成立時の損害賠償責任を解説

株式会社の設立に関する職務を行うについて、発起人や設立時役員に悪意または重大な過失があり、会社債権者など第三者に損害が生じた場合、発起人や設立時役員が個人で損害賠償責任を負うことがあります。ただし、損害が発生しただけで当然に責任を負うわけではありません。職務を行うについて悪意または重大な過失があったことが必要です。

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発起人・設立時役員の「第三者に対する責任」とは

会社法53条2項は、発起人、設立時取締役または設立時監査役が、会社設立に関する職務を行うについて悪意または重大な過失があり、第三者に損害を与えたとき、その損害を賠償する責任を定めています。

ここでいう責任は、会社に対するものではなく、会社債権者など第三者に対する個人の責任です。なお、設立時役員等のうち、会社法53条2項の対象となるのは設立時取締役と設立時監査役です。設立時取締役及び設立時監査役は、設立事項の調査などを行います。

第三者に対する責任が成立する要件

1.設立に関する職務を行うについて責任原因があること

発起人、設立時取締役または設立時監査役が、株式会社の設立に関する職務を行うについて、悪意または重大な過失があることが必要です。

2.悪意または重大な過失があること

悪意または重大な過失が必要であり、軽い不注意だけでは、会社法53条2項の責任は成立しません。

3.第三者に損害が生じていること

発起人、設立時取締役または設立時監査役の職務上の悪意または重大な過失によって、会社債権者など第三者に損害が生じた場合に、損害賠償責任を負います。

会社に対する責任や他の設立責任との違い

会社に対する任務懈怠責任との違い

発起人、設立時取締役、設立時監査役が任務を怠って会社に損害を与えた場合は、会社に対する任務懈怠責任が問題になります。一方、会社債権者など第三者に損害が生じた場合が、会社法53条2項の第三者に対する責任です。

不足額填補責任・仮装払込み等に対する責任との違い

不足額填補責任は、現物出資財産等の価額が定款に記載又は記録された価額に著しく不足する場合に、会社へ不足額を支払う責任です。また、仮装払込み等に対する責任は、払込みや財産の給付を仮装した場合に生じます。いずれも会社に対する責任であり、第三者に損害が生じた場合の会社法53条2項の責任とは、要件と相手方が異なります。

まとめ:悪意または重大な過失で第三者に損害を与えると責任を負う

発起人、設立時取締役、設立時監査役は、設立に関する職務を行うについて悪意または重大な過失があり、第三者に損害を与えたときは、会社法53条2項により損害賠償責任を負います。

  • 発起人、設立時取締役または設立時監査役であること
  • 設立に関する職務を行うについて悪意または重大な過失があること
  • 第三者に損害が生じていること

単なる軽い不注意だけで直ちに責任が成立するわけではありません。