監査役会の権限と職務とは?常勤監査役の選定などを解説

スポンサーリンク

監査役会とは?設置が必要な会社と役割

監査役会の基本的な意味

監査役会とは、会社の監査役全員で構成される機関です。監査役が行う監査について、監査の方針や業務・財産状況の調査方法などを組織として決定し、監査報告を作成します。

ただし、監査役会を設置していても、各監査役が個別に持つ監査権限まで失われるわけではありません。監査役会の決定は、各監査役による権限行使を妨げることができない点に注意が必要です。

監査役会の設置が必要な会社

大会社かつ公開会社は、監査役会を設置しなければなりません(会社法328条1項)。大会社とは、最終事業年度の貸借対照表において、資本金が5億円以上、または負債の合計額が200億円以上の株式会社をいいます。

これら以外の株式会社も、監査等委員会設置会社と指名委員会等設置会社を除き、定款で定めれば監査役会を設置できます。ただし、監査等委員会設置会社と指名委員会等設置会社には、監査役会を置くことができません。

監査役会の構成と常勤監査役の選定

監査役の人数と社外監査役の割合

監査役会は、すべての監査役によって構成されます。監査役は3人以上必要で、その半数以上は社外監査役でなければなりません(会社法335条3項、390条1項)。

社外監査役とは、次のすべての要件を満たす監査役をいいます(会社法2条16号)。

  • 就任前10年間に、会社またはその子会社の取締役、会計参与、執行役、支配人その他の使用人であったことがないこと
  • 就任前10年内のいずれかの時に会社またはその子会社の監査役であった者については、その監査役への就任前10年間に、会社またはその子会社の取締役、会計参与、執行役、支配人その他の使用人であったことがないこと
  • 会社の親会社等(自然人であるものに限る)または親会社等の取締役、監査役、執行役、支配人その他の使用人でないこと
  • 会社の親会社等の子会社等(会社およびその子会社を除く)の業務執行取締役等でないこと
  • 会社の取締役もしくは支配人その他の重要な使用人、または親会社等(自然人であるものに限る)の配偶者もしくは二親等内の親族でないこと

常勤監査役の選定・解職

監査役会は、監査役の中から1人以上の常勤監査役を選定しなければなりません(会社法390条3項)。

常勤監査役の選定・解職を行うのは監査役会です。

監査役会の権限・職務

監査報告の作成

監査役会は、監査報告を作成します(会社法390条2項1号)。

監査方針や調査方法の決定

監査役会は、次の事項を決定します(会社法390条2項)。

  • 監査の方針
  • 業務・財産状況の調査方法
  • その他、監査役の職務執行に関する事項
  • 常勤監査役の選定・解職

また、監査役会から求められた場合、各監査役は自分の職務執行状況を監査役会に報告しなければなりません(会社法390条4項)。

監査役会が制限できないこと

監査役会が監査の方針や調査方法を決めても、その決定によって各監査役の権限行使を制限することはできません。

まとめ:監査役会の権限と常勤監査役の位置づけ

監査役会は、監査役全員で構成され、監査報告の作成、常勤監査役の選定・解職、監査方針や調査方法の決定などを行います。大会社かつ公開会社では設置が必要で、監査役は3人以上、その半数以上を社外監査役とし、1人以上の常勤監査役を置かなければなりません。

一方、監査役会が方針を定めても、各監査役が独立して権限を行使することまで制限されない点が重要です。