名板貸しとは、自分の商号を使って営業することを他人に許可する行為です。商号とは、商人や会社が営業上、自分を示すために使う名称をいいます。
名板貸しでは、商号を貸した人を「名板貸人」、商号を借りて営業する人を「名板借人」と呼びます。取引相手が、名板借人の営業を名板貸人の営業だと誤認して取引する場合があるため、商法は一定の場合に取引相手を保護しています。
名板貸しとは
たとえば、店舗を営む商人が、別の人に自分の商号を使って営業することを認めるケースが名板貸しに当たります。実際に営業しているのは名板借人であっても、名板貸人が営業していると誤認されることがあります。
名板貸しをした商人が負う責任
責任が発生する4つの条件
商法14条により、次の条件をすべて満たすと、名板貸人は責任を負います。
- 名板貸人が商人であること
- 自分の商号を使って営業することを、他人に許可したこと
- 取引相手が、その営業を名板貸人の営業だと誤認したこと
- 取引相手が、名板借人と取引したこと
名板貸人と名板借人が連帯して債務を弁済する
条件を満たす場合、名板貸人は、名板借人と連帯して、取引相手に対する債務を弁済する責任を負います。連帯して責任を負うとは、取引相手が名板貸人または名板借人のいずれに対しても、当該取引から生じた債務の弁済を請求できる関係です。
責任の対象は、名板借人との「その取引によって生じた債務」です。名板貸人が実際には営業や取引をしていなかったとしても、商号を貸しただけだから責任はない、とは限りません。
具体例で確認
飲食店「港町キッチン」を営むAさんが、知人Bさんに店名を使って移動販売をすることを許可したとします。仕入先C社は、Bさんの移動販売をAさんの営業だと信じ、Bさんに食材を掛けで納品しました。しかし、Bさんが代金を支払わなかった場合、C社がAさんの営業だと誤認してBさんと取引していたなど、4つの条件を満たせば、AさんはBさんと連帯して、C社に対する代金債務を弁済する責任を負います。
まとめ
- 名板貸しとは、自己の商号を使って営業することを他人に許可すること
- 取引相手が名板借人の営業を名板貸人の営業だと誤認して取引した場合、商法14条により責任が生じる
- 名板貸人は、名板借人と連帯して、その取引によって生じた債務を弁済する責任を負う
