監査等委員会設置会社とは、定款の定めにより監査等委員会を設置することとした株式会社です(会社法2条11号の2、326条2項)。監査等委員である取締役が取締役会の構成員として経営を監督する点に特徴があります。
監査役は取締役会の外から監査を行いますが、監査等委員は取締役でもあります。そのため、監査等委員会と取締役会の双方に参加し、取締役の職務執行を監督します。
監査等委員である取締役の仕組み
監査等委員は、すべて取締役でなければなりません。株主総会では、監査等委員である取締役と、それ以外の取締役を区別して選任します(会社法399条の2第2項、329条2項)。
- 監査等委員は3人以上
- 過半数は社外取締役
- 会社または子会社の業務執行取締役、支配人その他の使用人などとの兼任は不可
任期にも違いがあります。監査等委員である取締役は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時までです。この任期は、定款や株主総会の決議で短縮・伸長できません。
一方、監査等委員以外の取締役の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時までです。この任期は、定款や株主総会の決議で短縮できますが、伸長はできません。監査等委員である取締役を解任するには、株主総会の特別決議が必要です。
監査等委員会の役割と権限
監査等委員会は、取締役(会計参与設置会社では取締役および会計参与)の職務執行を監査し、監査報告を作成します。また、会計監査人の選任・解任・不再任に関する議案の内容を決定します。
さらに、監査等委員以外の取締役について、選任・解任・辞任や報酬に関する意見を述べる場合、その意見の内容も決定します。
監査等委員には、取締役等に対して報告を求め、業務や財産を調査する権限があります。また、子会社に対して報告を求め、業務や財産を調査することもできます。不正行為などが認められる場合は取締役会に報告し、取締役の行為によって会社に著しい損害が生じるおそれがある場合などには、その行為の差止めを請求できます。
取締役会の仕組みと特徴
取締役会は、業務執行に関する意思決定と、取締役の職務執行の監督を行います。
代表取締役は、監査等委員である取締役以外の取締役から選定しなければなりません。また、一定の専決事項を除き、定款の定めがあれば、重要な業務執行の決定の全部または一部を特定の取締役に委任できます。定款の定めがなくても、取締役の過半数が社外取締役である場合は、一定の専決事項を除き、重要な業務執行の決定を取締役に委任できます。
まとめ
監査等委員会設置会社は、監査等委員である取締役を中心に、取締役会の監督機能を強化する会社形態です。監査等委員は社外取締役を含む複数の取締役で構成され、監査に加えて、会計監査人の選任・解任などに関する議案の決定や、監査等委員以外の取締役の選任・報酬などに関する意見の決定にも関与します。
