株主名簿の効力とは?通知・名義書換・配当との関係を解説

株主名簿とは、株式会社が株主の氏名や住所、保有株式数などを管理するための帳簿です。会社法121条により、株式会社には株主名簿の作成と、株主名簿記載事項の記載・記録が義務付けられています。

株主名簿の効力は、主に会社からの通知、株式譲渡の名義書換、配当財産の交付に関係します。ただし、名義書換の要否と、株式の譲渡自体の効力要件は別の問題です。

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株主名簿とは?記載される事項と役割

株主名簿の基本的な意味

株主名簿には、次の事項を記載・記録します。

  • 株主の氏名または名称及び住所
  • 株主の有する株式の数(種類株式発行会社では、株式の種類及び種類ごとの数)
  • 株主が株式を取得した日
  • 株券発行会社である場合の株券番号

この名簿によって、会社は株主を把握し、管理します。

株主名簿の効力の全体像

株主名簿に記載・記録された内容は、会社から株主への通知先、株式を譲り受けた人が会社その他の第三者に取得を対抗できるかどうか、配当財産の交付場所などを判断する基準になります。

もっとも、名義書換をしていないことだけで、当事者間の株式譲渡の効力が直ちに否定されるわけではありません。

株主名簿と会社からの通知の関係

名簿に記載された住所への通知で足りる

会社が株主に通知や催告をする場合、株主が別の場所や連絡先を会社に通知していない限り、株主名簿に記載・記録された住所に宛てて発すれば足ります(会社法126条1項)。

株式の名義書換と株主名簿の効力

名義書換をしなければ会社などに譲渡を主張できない

株式を譲り受けた人の氏名または名称及び住所を株主名簿に記載・記録する手続を、名義書換といいます。名義書換をしなければ、原則として、株式を取得したことを株式会社その他の第三者に対抗できません(会社法130条1項)。

株式の譲渡そのものの効力との違い

株式の譲渡は、原則として当事者の意思表示だけで効力が生じます。一方、株券発行会社では、原則として株券の交付がなければ譲渡の効力は生じません(会社法128条1項)。つまり、株式譲渡の当事者間における効力と、会社その他の第三者に株式の取得を対抗できるかは区別する必要があります。

株券発行会社における例外

株券発行会社では、株主名簿への記載・記録がなくても、株券の交付・所持によって会社以外の第三者に譲渡を対抗できる場合があります(会社法130条2項)。ただし、会社に対して株式の取得を対抗するには、株主名簿への記載・記録が必要です。

株主名簿と配当の関係

配当財産の交付場所は名簿上の住所が原則

配当財産は、株主が別の場所を通知していない限り、株主名簿に記載・記録された住所、または会社に通知した場所で交付されます(会社法457条1項)。

基準日が定められている場合

会社は、一定の日に株主名簿に記載・記録されている株主を、議決権その他の権利を行使できる者と定める「基準日」を設けることができます(会社法124条1項)。基準日を定める場合、基準日株主が行使できる権利の内容を定めなければならず、その権利は基準日から3か月以内に行使するものに限られます(同条2項)。

また、基準日を定款に定めず会社が必要に応じて定める場合は、基準日の2週間前までに、基準日及び基準日株主が行使できる権利の内容を公告しなければなりません(同条3項)。