株式分割とは
株式分割の意味
株式分割とは、すでに発行されている株式を細かく分け、株式数を増やすことです。たとえば、発行済みの株式1株を5株にしたり、2株を3株にしたりする方法があります。
株主が保有する株式数も、分割割合に応じて増加します。一方、株式分割をしただけで、資本金の額が増減するわけではありません。
株式分割を行う目的
株価が高くなった会社が、1株当たりの株価を下げて市場での流通性を高める目的で行うことがあります。また、他の株式会社との合併に向けた準備として実施される場合もあります。
株式分割に必要な決定と手続き
株式分割を決定する機関
株式分割は、原則として株主総会の普通決議で決定します。普通決議は、定款に別段の定めがない限り、議決権を行使できる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席株主の議決権の過半数で成立します。
ただし、取締役会設置会社では、株主総会ではなく取締役会の決議で決定します。
決議で定める事項
会社法183条2項により、次の事項を定めます。
- 分割によって増加する株式の総数の、分割前の発行済株式総数に対する割合および株式分割の基準日
- 株式分割の効力発生日
- 種類株式発行会社の場合は、分割する株式の種類
効力発生日になると、決められた割合に応じて発行済株式総数が増加します。種類株式発行会社では、対象となる種類の株式が分割されます。
株式分割と発行可能株式総数の関係
発行可能株式総数とは
発行可能株式総数とは、定款で定める、会社が将来発行できる株式数の上限です。これに対し、発行済株式総数は、現在実際に発行されている株式の総数を指します。両者は、現在の数と将来発行できる上限という別の概念です。
発行可能株式総数の変更が必要になる場合
株式分割によって増えた発行済株式総数が、従前の発行可能株式総数を超える場合は、発行可能株式総数も変更しなければなりません。反対に、分割後も上限の範囲内であれば、変更は不要です。
株式分割に伴う変更の決め方
株式分割に伴い、分割割合に応じて発行可能株式総数を変更する場合は、通常の定款変更に必要な株主総会の特別決議によらず、取締役の決定で変更できます。取締役会設置会社では、取締役会の決議によります。
ただし、この手続きが認められるのは、株式分割に伴う分割割合による変更に限られます。株式分割とは無関係に発行可能株式総数を増やす場合まで、同じ手続きで変更できるわけではありません。
まとめ
株式分割とは、発行済み株式を細分化して株式数を増やすことです。株価を下げて市場での流通性を高めるほか、合併準備を目的として行われる場合があります。実施には分割割合、基準日、効力発生日などを定め、原則として株主総会の普通決議、取締役会設置会社では取締役会の決議が必要です。分割後の発行済株式総数が発行可能株式総数を超える場合は、その上限変更も必要になります。
