株主総会の招集手続が適切に行われたか、決議が適正な方法で行われたかを確認したい場合、会社法306条に基づき、裁判所へ検査役の選任を申し立てることができます。
この記事では、株主総会の検査役の役割、申立てができる人、議決権の要件、申立ての時期と基本的な流れを解説します。
株主総会の検査役とは
株主総会の招集手続や決議方法を調査する人
検査役とは、株主総会に係る招集の手続及び決議の方法を調査するため、裁判所によって選任される者です。調査の対象は、主に次の2つです。
- 株主総会の招集手続
- 株主総会における決議の方法
たとえば、招集通知が適切な手順で行われたか、決議が法令や定款に従った方法で進められたかといった点を確認します。
検査役の選任を申し立てるための要件
申立てができる人
会社法306条1項により、次のいずれかに該当する者が申立てをできます。
- 株式会社
- 総株主の議決権の100分の1以上を有する株主
株主が申し立てる場合の議決権要件
株主が申し立てる場合、原則として、総株主の議決権の1%以上が必要です。ただし、定款で1%を下回る割合を定めている場合は、その定款上の割合で申し立てることができます。
ここでいう「総株主」には、株主総会で決議をすることができる事項の全部について議決権を行使できない株主は含まれません。したがって、単に株主であれば足りるのではなく、議決権の割合を確認する必要があります。
申立ての対象となる株主総会
検査役の選任申立ては、対象となる株主総会の開催前に行わなければなりません。株主総会に先立ち、招集手続や決議方法を調査させる制度だからです。
検査役の選任申立ての手続
申立てから選任までの流れ
- 調査の対象となる株主総会を確認する
- 会社または議決権要件を満たす株主に該当するか確認する
- 株主総会の開催前に、裁判所へ検査役の選任を申し立てる
- 裁判所が申立てを受け、検査役を選任する
- 選任された検査役が、招集手続や決議方法を調査する
申立てで確認すべきポイント
- 申立人が株式会社か、議決権要件を満たす株主か
- 株主の場合、原則として議決権が1%以上あるか
- 定款で要件が引き下げられていないか
- 対象となる株主総会の開催前か
- 調査対象が招集手続または決議方法に関する事項か
まとめ
株主総会の検査役は、裁判所によって選任され、株主総会の招集手続や決議方法を調査する者です。申立てができるのは、株式会社または原則として総株主の議決権の1%以上を有する株主です。定款で要件が引き下げられている場合は、その割合が適用されます。
申立ては、対象となる株主総会の開催前に行う必要があります。検査役は、株主総会が適切な手続と方法で行われたかを調査します。
