株式会社が「不成立」とはどういうことか
株式会社は設立登記によって成立する
株式会社は、設立手続を進めただけでは成立しません。本店所在地で設立登記をすることによって成立します(会社法49条)。
定款の作成や出資の履行をしていても、設立登記に至らなければ株式会社は成立しません。この場合、発起人や設立時募集株式の引受人が株主になることもありません。
「会社不成立」と「設立無効」は異なる
会社不成立は、設立登記がされず、株式会社が成立していないケースです。一方、設立登記によって会社が成立した後、設立手続の法定要件に問題があった場合は「設立無効」の問題になります。
両者は法律上別の問題です。会社不成立の場合に発起人が負う責任は、会社法56条に定められています。
会社が不成立の場合に発起人が負う責任
発起人が連帯して設立に関する行為の責任を負う
株式会社が成立しなかったときは、発起人が連帯して、会社の設立に関してした行為について責任を負います(会社法56条)。
会社成立前の行為について、その執行機関は発起人のみです。そのため、会社法56条の責任を負うのは発起人であり、設立時取締役などはこの規定の対象には含まれません。
設立に関して支出した費用を発起人が負担する
発起人は、会社の設立に関して支出した費用も負担します。
複数の発起人がいる場合も、発起人が連帯して責任を負います。
出資した財産は返還されるのか
払込み・給付を受けた出資は返還する
会社不成立の場合、発起人は、払込みや給付を受けた出資を返還します。
費用負担と出資の返還は別の問題
出資を返還することと、設立費用を発起人が負担することは別です。出資を返せば設立費用の負担までなくなる、という関係ではありません。
発起人が出資の履行をした後に会社が成立しなかった場合、払込みや給付を受けた出資は返還しなければなりません。同時に、それまでに設立に関して支出した費用は、発起人が負担することになります。
まとめ
- 株式会社は設立登記によって成立し、登記に至らなければ株式会社は成立しない。
- 会社不成立の場合、発起人が連帯して設立に関する行為の責任を負う。
- 設立に関して支出した費用は、発起人が負担する。
- 払込みや給付を受けた出資は返還する。
- 会社法56条の責任を負うのは発起人であり、設立時取締役などは含まれない。
