募集株式を引き受けた人は、会社が定めた払込期日または払込期間内に出資を履行しなければなりません。出資を履行するタイミングによって、株主になる時期も異なります。
結論として、払込期日が定められている場合は払込期日に、払込期間が定められている場合は実際に出資を履行した日に株主となります。
募集株式の出資履行とは
募集株式の引受人が行う出資
募集株式の割当てを受けた人は、「募集株式の引受人」となります。引受人は、募集事項で定められた内容に従い、次のいずれかの方法で出資を履行します(会社法206条、208条1項・2項)。
- 金銭を払い込む
- 金銭以外の財産を給付する(現物出資)
金銭を払い込む場合は、会社が指定した銀行などの払込取扱場所で、払込金額の全額を支払う必要があります。現物出資の場合も、募集事項で定められた現物出資財産を給付します。一部だけの履行では足りません。
また、引受人は、会社に対して持っている債権と、出資を履行する義務を相殺することはできません(会社法208条3項)。
募集株式の払込みの期限と、履行しなかった場合
払込期日を定めた場合
会社が募集事項として1日だけの払込期日を定めた場合、引受人はその日に出資を履行します。払込期日までに履行しなければ、募集株式の株主となる権利を失います。
払込期間を定めた場合
会社は、特定の1日ではなく、出資できる期間を定めることもできます。これを払込期間といいます。引受人は、その期間内に出資を履行します。
期間内に履行しなければ、株主となる権利を失います。期限を過ぎてから支払っても、募集株式を取得できません。
出資を履行しないとどうなるか
払込期日または払込期間内に出資を履行しなかった引受人は、会社から請求や個別の通知を受けなくても、当然に株主となる権利を失います(会社法208条5項)。
募集株式の株主になる時期
払込期日を定めた場合
払込期日を定めた場合、出資を履行した引受人は、募集事項で定められた払込期日に株主となります(会社法209条1項)。
払込期間を定めた場合
払込期間を定めた場合は、期間内に出資を履行した日が株主となる日です。たとえば、払込期間が6月5日から6月14日までで、6月8日に全額を払い込んだ場合、6月8日に株主となります。
申込みをしただけ、または株式の割当てを受けただけでは、まだ株主ではありません。割当てを受けた後、期限内に出資を履行する必要があります。
| 募集事項の定め | 株主になる時期 |
|---|---|
| 払込期日 | 出資を履行した引受人は払込期日 |
| 払込期間 | 期間内に出資を履行した日 |
| 期限内に履行しない | 株主となる権利を失う |
まとめ
- 募集株式の出資履行とは、金銭の全額を払い込むか、現物出資財産を給付することです。
- 出資は、払込期日または払込期間内に行わなければなりません。
- 払込期日がある場合、出資を履行した引受人は払込期日に株主となります。
- 払込期間がある場合、出資を履行した日に株主となります。
- 期限内に履行しなければ、株主となる権利を当然に失います。
