行政行為の違法性の承継とは?先行行為と後行行為の関係を解説

行政行為の違法性の承継とは

数個の行政行為が連続して行われている場合、先行行為と後行行為が結合して一つの効果の実現をめざし、これを完成させることがあります。この場合に、先行行為の違法性が後行行為に承継されることを違法性の承継といいます。

先行行為と後行行為の意味

  • 先行行為:一連の行政行為のうち、先に行われる行政行為
  • 後行行為:先行行為の後に行われ、先行行為と結合して一つの効果を完成させる行政行為

違法性の承継が認められる条件

先行行為が後行行為の準備行為であること

先行行為と後行行為が連続して行われ、先行行為が後行行為の準備行為として行われていることが必要です。

共通の目的を持ち、一つの効果を生じさせること

先行行為と後行行為が共通した目的を有し、両者が結合して一つの効果が生ずる場合に、違法性の承継が認められることがあります。

違法性の承継が問題となる場面と判例

農地買収計画と農地買収処分

判例は、先行行為である農地買収計画と、後行行為である農地買収処分について、農地買収計画が農地買収処分の準備行為として行われ、両者が共通した目的を有し、結合して一つの効果が生ずる場合には、違法性の承継が認められると判示しています(最判昭25・9・15)。

安全認定と建築確認

別の判例では、東京都特別区の建築安全条例所定の接道要件が満たされていない建築物について、条例に基づいて区長の安全認定が行われた上で建築確認がされている場合、安全認定が取り消されていなくても、建築確認の取消訴訟において、安全認定が違法であるために条例所定の接道義務の違反があると主張することは許されるとしています(最判平21・12・17)。

まとめ

  • 違法性の承継とは、先行行為の違法性が後行行為に承継される考え方です。
  • 先行行為が後行行為の準備行為であり、両者が共通した目的を有することが重要です。
  • 両者が結合して一つの効果を生ずる場合に、違法性の承継が認められることがあります。