聴聞の主宰者とは?役割と主宰できない利害関係者を解説

聴聞の主宰者とは、聴聞手続を進める者です。公正な聴聞を行うため、当事者や参加人、その一定の親族などの利害関係者は主宰者になれません。

聴聞の主宰者とは

行政庁が指名する職員などが聴聞を主宰する

聴聞手続は、行政庁が指名する職員その他政令で定める者が主宰します。この職員などを「主宰者」といいます。

ここでいう「主宰」とは、聴聞の運営について必要な一切をつかさどることです。

主宰者と行政庁の違い

主宰者は、聴聞の審理を進め、聴聞調書と報告書を作成して行政庁に提出します。一方、不利益処分を最終的に決定するのは行政庁です。

行政庁は、主宰者が提出した聴聞調書の内容や報告書の意見を十分に参酌したうえで、不利益処分を決定します。

聴聞の主宰者の主な役割

聴聞の審理を進める

最初の期日では、行政庁の職員に対し、予定される不利益処分の内容や根拠となる法令の条項、その原因となる事実を説明させます。そのうえで、必要に応じて当事者や参加人に質問し、意見の陳述や証拠書類等の提出を促します。また、行政庁の職員に説明を求めることもできます。

当事者や参加人の一部が出頭しなくても、聴聞の期日における審理を行うことができます。

聴聞の続行・終結を判断する

審理の結果、なお聴聞を続行する必要があると認めるときは、新たな期日を定めることができます。一方、当事者が正当な理由なく出頭せず、出頭に代わる陳述書や証拠書類等も提出しない場合、または参加人が出頭しない場合には、改めて意見を述べたり証拠書類等を提出したりする機会を与えずに、聴聞を終結できます。

当事者に正当な理由があり、相当期間にわたって出頭できない見込みがあるときは、期限を定めて陳述書や証拠書類等の提出を求め、その期限が到来した後に聴聞を終結することもできます。

聴聞調書と報告書を作成する

主宰者は、審理が行われた各期日ごとに、聴聞の審理の経過を記載し、陳述の要旨を明らかにした聴聞調書を作成します。聴聞終結後は、当事者等の主張に理由があるかどうかについて意見を記載した報告書を速やかに作成し、聴聞調書とともに行政庁へ提出します。

主宰者になれない利害関係者

聴聞手続における中立性を確保するため、次の者は、その聴聞の主宰者になれません。

  • その聴聞の当事者
  • その聴聞の参加人
  • 当事者または参加人の配偶者
  • 当事者または参加人の4親等内の親族
  • 当事者または参加人と同居している親族などの利害関係者

このように、聴聞の主宰者は処分を決める者ではなく、聴聞の審理を進め、聴聞調書や報告書を作成して行政庁に提出する役割を担います。