商行為の代理権は、本人が死亡しても原則として消滅しない
民法上は、本人の死亡で代理権が消滅する
民法では、本人が死亡すると代理権が消滅すると定められています(民法111条1項1号)。
商法では、商行為の委任による代理権に特則がある
もっとも、商行為の委任による代理権については、商法506条に特別なルールがあります。この代理権は、本人が死亡しただけでは消滅しません。
例えば、商人である営業主が選任した支配人の代理権は、営業主が死亡しても消滅しません。
本人死亡で代理権が消滅しないのは「商行為の委任による代理権」
商法506条の対象は、あらゆる代理権ではありません。消滅しないのは、商行為の委任による代理権に限られます。
| 場面 | 本人死亡による代理権 |
|---|---|
| 民法上の代理 | 本人の死亡により消滅 |
| 商行為の委任による代理 | 本人の死亡だけでは消滅しない |
代理権の範囲には注意が必要
代理権が存続することは、代理人が無制限に行動できるという意味ではありません。ただし、商行為の受任者は、委任の本旨に反しない範囲内で、委任を受けていない行為をすることができます(商法505条)。
まとめ
- 民法では、本人の死亡は代理権の消滅事由です。
- しかし、商法506条により、商行為の委任による代理権は本人の死亡によっては消滅しません。
- この特則の対象は、商行為の委任による代理権に限られます。
- 商行為の受任者は、委任の本旨に反しない範囲内で、委任を受けていない行為をすることもできます。
