取締役会は、原則として各取締役が招集することができます(会社法366条1項)。ただし、一定の要件を満たす場合には、株主や監査役から取締役に対して招集を請求できます。
もっとも、株主と監査役では、請求できる会社の範囲や理由が異なります。以下、それぞれの要件を確認します。
株主や監査役は取締役会の招集を請求できる?
取締役会は、すべての株式会社に設置されているわけではありません。今回の招集請求の対象となるのは、取締役会設置会社です。
取締役会の招集は、原則として各取締役がすることができます。ただし、定款または取締役会で、特定の取締役を招集権者と定めることもできます(会社法366条1項)。
株主が取締役会の招集を請求できる要件
請求できる会社
株主が会社法367条1項に基づいて請求できるのは、取締役会設置会社で、監査役、監査等委員会及び指名委員会等を置いていない株式会社です。
請求できる理由
株主は、取締役が次のいずれかの行為をし、またはこれらの行為をするおそれがあると認めるときに請求できます。
- 会社の目的の範囲外の行為
- 法令または定款に違反する行為
請求の相手
株主は、取締役に対して、取締役会の招集を請求します。
監査役が取締役会の招集を請求できる要件
請求できる会社
監査役は、取締役会設置会社の監査役であれば、取締役会の招集を請求できる場合があります。
取締役会への報告が必要となる事情
監査役は、次のいずれかに当たると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役会に報告しなければなりません(会社法382条)。
- 取締役が不正の行為をした、またはしようとしている
- 法令または定款に違反する事実がある
- 著しく不当な事実がある
招集請求が認められる場面
監査役が上記の事情を取締役会に報告する場合において、取締役会を開く必要があると認めるときは、取締役に対して招集を請求できます(会社法383条2項)。つまり、取締役の不正などの事情に加え、取締役会への報告と開催の必要性が関係します。
招集請求後の取締役会招集の基本
招集請求を受けた後、取締役会を招集する者は、原則として開催日の1週間前までに、各取締役へ通知します。監査役設置会社では、各取締役と各監査役に通知が必要です(会社法368条1項)。ただし、定款で1週間より短い期間を定めている場合は、その期間によります。
通知方法は書面に限られず、電話や口頭でも可能です。また、取締役全員の同意があるときは、招集手続を経ずに開催できます。監査役設置会社では、取締役及び監査役全員の同意が必要です(会社法368条2項)。
なお、招集を請求できることと、実際に取締役会を招集することは別です。株主や監査役は、原則として取締役に対して招集を求めます。
まとめ
- 株主は、一定の取締役会設置会社で、取締役の目的外行為や法令・定款違反行為などがある場合に請求できる
- 監査役は、取締役の不正、法令・定款違反、著しく不当な事実があり、必要と認める場合に請求できる
- 株主と監査役では、対象会社と請求要件が異なる
- いずれも、原則として取締役に対して取締役会の招集を請求する
