指名委員会等設置会社とは?制度の仕組みと特徴をわかりやすく解説

指名委員会等設置会社とは、株式会社の機関設計の一つです。指名委員会・監査委員会・報酬委員会の3つを設置し、取締役会が経営を監督する一方、実際の業務執行は執行役が担います。取締役会と業務執行の役割を分けることで、経営に対する監督を強化する仕組みです。

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指名委員会等設置会社とは

法律上の意味

指名委員会等設置会社とは、定款で次の3つの委員会を置くことを定めた株式会社です(会社法2条12号、326条2項)。3つの委員会は任意に選べるものではなく、指名委員会等設置会社にはすべて設置しなければなりません。

  • 指名委員会
  • 監査委員会
  • 報酬委員会

株主総会が取締役を選任し、取締役会が委員会の委員や執行役を選任します。そして、各委員会が取締役の選任、監査、報酬を担当し、執行役が取締役会から委任された範囲で業務を行います。

3つの委員会の役割と構成

指名委員会・監査委員会・報酬委員会の役割

委員会 主な役割
指名委員会 株主総会に提出する取締役の選任・解任議案を決定する。会計参与設置会社では、会計参与に関する議案も対象となる
監査委員会 取締役や執行役などの職務執行を監査し、監査報告を作成する。会計監査人の選任・解任・不再任に関する議案も決定する
報酬委員会 執行役などが受ける個人別の報酬内容を決定する。執行役が会社の使用人を兼ねる場合は、使用人としての報酬内容も決定する

なお、指名委員会等設置会社に監査等委員会を置くことはできません。

各委員会の構成

各委員会は3人以上の委員で構成され、委員は取締役会の決議で取締役の中から選ばれます。また、各委員会の委員の過半数は社外取締役でなければなりません。1人の取締役が複数の委員会を兼ねることは可能です。

ただし、監査委員は、その会社もしくはその子会社の執行役もしくは業務執行取締役、又はその子会社の会計参与もしくは支配人その他の使用人を兼ねることができません。

取締役・取締役会・執行役の関係

取締役と取締役会の役割

指名委員会等設置会社では、取締役は会社の業務を執行することができません。ただし、取締役が執行役を兼任し、執行役として業務を執行することは可能です。取締役会は、一定の専決事項を除き、業務執行に関する決定を執行役に委任でき、取締役および執行役の職務を監督します。

取締役は、当該会社の支配人その他の使用人を兼ねられません。また、取締役の中から代表取締役や業務執行取締役を選定することもできません。任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち、最後のものに関する定時株主総会の終結時までです。この任期は定款や株主総会の決議で短縮できますが、伸長はできません。

執行役の役割

指名委員会等設置会社には、1人以上の執行役を置かなければなりません。執行役は取締役会の決議で選任され、取締役でない者も選任できます。一方、取締役が執行役を兼ねることも可能です。

執行役は、取締役会から委任された範囲で業務執行に関する決定を行い、実際に会社の業務を執行します。任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最後のものに関する定時株主総会の終結後、最初に招集される取締役会の終結時までです。

代表執行役

取締役会は、執行役の中から代表執行役を選定しなければなりません。執行役が1人だけの場合は、その執行役が代表執行役に選定されたものとみなされます。代表執行役は、裁判上・裁判外で会社を代表し、取締役会の決議によっていつでも解職できます。

指名委員会等設置会社の特徴

  • 監督と業務執行を分離している:取締役会と3つの委員会が監督を担い、執行役が業務を行います。
  • 社外取締役を中心に監督する:各委員会の過半数を社外取締役とすることで、取締役や執行役から一定の距離を置いて判断します。
  • 役割を委員会ごとに分担する:取締役の選任・監査・報酬を別々の委員会が担当する点が大きな特徴です。

つまり、指名委員会等設置会社は、取締役会が会社経営を監督し、執行役が業務を進めることで、経営の監督と執行を明確に分ける制度です。