弾劾裁判所とは?国会による設置の根拠と役割を解説

弾劾裁判所とは、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するために設けられる機関です。通常の裁判は裁判所が担当しますが、裁判官の罷免に関する裁判を通常の裁判所に委ねたのでは、公正な裁判を期待しにくい場合があります。そこで、日本国憲法は例外として、国会が弾劾裁判所を設置する制度を定めています。

弾劾裁判所とは

罷免の訴追を受けた裁判官を裁判する機関

弾劾裁判所の役割は、罷免の訴追を受けた裁判官について、その罷免に関する裁判を行うことです。ここでいう「罷免」とは、裁判官の職を辞めさせることをいいます。

つまり、弾劾裁判所は、裁判官に問題があるとして罷免を求める訴追がされた場合に、その内容を審理し、裁判官の身分に関わる判断をする機関です。

通常の裁判所とは異なる特別裁判所

本来、裁判を行う権限は裁判所に属します。しかし、罷免の訴追を受けた裁判官の裁判を通常の裁判所に委ねると、公正な裁判を期待しにくいと考えられます。

そのため、弾劾裁判所は、憲法が例外的に認めた特別裁判所と位置づけられています。通常の民事裁判や刑事裁判を広く扱う機関ではなく、裁判官の罷免に関する裁判を担当する点に特徴があります。

国会が弾劾裁判所を設置する根拠

日本国憲法64条1項に基づく国会の権能

国会が弾劾裁判所を設置する根拠は、日本国憲法64条1項です。この規定により、国会には弾劾裁判所を設置する権能が認められています。弾劾裁判所は、両議院の議員で組織されます。

ここで注意したいのは、国会が自ら通常の裁判を行うという意味ではないことです。国会に認められているのは、あくまで弾劾裁判所を設置する権能です。

弾劾裁判所は国会とは別個の機関

弾劾裁判所は、国会が設置するものですが、国会そのものと同じ機関ではありません。国会とは別個の機関として、独立して職権を行使します。そのため、国会が閉会している期間も活動することができます。

弾劾裁判所の役割

弾劾裁判所の中心的な役割は、罷免の訴追を受けた裁判官について、罷免に関する裁判を行うことです。裁判官の身分に関わる重要な判断を、通常の裁判所とは別の機関が担当することで、公正な裁判を確保する仕組みになっています。

したがって、弾劾裁判所は国会が設置する機関ではあるものの、国会の一部としてその指示どおりに判断する機関ではありません。独立した機関として職権を行使します。

まとめ

  • 弾劾裁判所とは、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判する機関である
  • 設置の根拠は、日本国憲法64条1項にある
  • 弾劾裁判所は両議院の議員で組織される
  • 国会に認められているのは、弾劾裁判所を設置する権能である
  • 弾劾裁判所は国会とは別個の機関として、独立して職権を行使する
  • 裁判官の罷免に関する裁判を通常の裁判所から分け、公正な裁判を確保する役割を担う