法人とは?法人格の意味や法人法定主義をわかりやすく解説

法人とは何か、法人格とは何を意味するのかは、会社や団体を理解するうえで基本となる知識です。法人は、個人である自然人と同じように、法律上の権利や義務の主体となれます。ただし、法人は法律の定めがなければ成立しません。この原則を法人法定主義といいます。以下、法人、法人格、法人法定主義の順に説明します。

法人とは

法人の意味

法人とは、法律によって権利や義務の主体となる資格を認められた団体などをいいます。人には、個人として存在する自然人と、法律上の存在である法人があります。

法人には、人の集まりを基礎とするものだけでなく、一定の財産を基礎とするものもあります。法人は、法人自身の名義で契約を結び、財産を所有し、債務などの義務を負うことができます。ただし、法人そのものが自ら意思表示をすることはできないため、代表者などの自然人が法人を代表して法律行為を行います。

法人が必要とされる理由

複数の人や多くの財産を一つにまとめれば、個人だけでは難しい規模の事業や活動を行いやすくなります。また、法人の財産を構成員個人の財産と区別して管理できる点も重要です。法人格があれば、法人の財産を構成員個人の財産と区別して扱うことができます。

法人格とは

法人格の意味

法人格とは、法律上の権利や義務の主体となる資格です。法人格を持つ法人は、構成員や代表者とは別の存在として、法人名義で財産を所有し、契約を締結し、債務を負います。

法人の権利能力には範囲がある

法人は自然人とまったく同じ範囲で権利や義務を持つわけではありません。法人は、法令に従い、定款などの基本約款で定められた目的の範囲内で権利を有し、義務を負います(民法34条)。

そのため、法人の権利能力には、次のような制限があります。

  • 法人の性質上、認められないもの
  • 法令によって制限されるもの
  • 定款などに定められた目的によって制限されるもの

法人は、法人の性質や法令、定款などに定められた目的から離れた権利まで、当然に取得できるわけではありません。

法人法定主義とは

法人法定主義の意味

法人法定主義とは、法人は法律の規定によらなければ成立しないという原則です(民法33条1項)。人が集まって活動しているだけで、当然に法人格が認められるわけではありません。

法人格を取得するには、設立しようとする法人の種類に応じて、法律が定める要件や手続を満たす必要があります。法人の成立方式には、次のものがあります。

成立方式 内容 例
特許主義 国の定めた特別法に基づいて設立される 日本銀行など
許可主義 主務官庁の許可によって設立が認められる 平成18年改正前の民法の公益法人に関する規定
認可主義 法律の定める一定の要件を備えていれば、主務官庁は必ず設立を認可しなければならない 学校法人、医療法人など
認証主義 一定の要件を備えていることを主務官庁が確認することによって設立される 宗教法人、NPO法人
準則主義 一定の要件を備えていれば当然に設立が認められる 一般社団法人、一般財団法人、会社など

法人と法人格の関係を整理

法人は、法律上の権利や義務の主体となる団体などそのものを指します。これに対して法人格は、その法人が権利や義務の主体となるための資格です。法人格があることで、法人は構成員とは別に財産を所有し、契約を結べます。ただし、法律に基づいて成立し、法令や定款などで定められた目的の範囲内で活動します。

まとめ

  • 法人とは、法律上の権利や義務の主体となる資格を認められた団体などです。
  • 法人格とは、法人が自ら権利を持ち、義務を負うための資格です。
  • 法人は、構成員や代表者とは別に、法人名義で財産を所有し、契約を締結できます。
  • 法人は法律の規定によらなければ成立しません。これが法人法定主義です。
  • 法人の権利能力は、法令や定款などで定められた目的の範囲内に限られます。