根抵当権の被担保債権の範囲とは?対象になる債権を解説

根抵当権は、特定の1つの債権ではなく、あらかじめ定めた一定の範囲に属する不特定の債権を担保する制度です。ただし、どのような債権でも対象になるわけではありません。根抵当権設定契約で定めた「被担保債権の範囲」に含まれる必要があります。

根抵当権の「被担保債権の範囲」とは

被担保債権とは、根抵当権によって担保される債権のことです。普通の抵当権が特定の債権を担保するのに対し、根抵当権は、一定の範囲に属する不特定の債権を担保します。

民法398条の2第2項・第3項により、根抵当権設定契約では、被担保債権の範囲を定めなければなりません。契約で定めた範囲に該当するかどうかによって、その債権が根抵当権の対象になるかが決まります。

なお、被担保債権の範囲はどの種類の債権を担保するかを示すものです。担保できる金額の上限は、別に定める「極度額」によって決まります。

根抵当権の被担保債権に含まれる3種類の債権

一定の取引によって生じる債権

1つ目は、債務者との特定の継続的取引契約、その他の一定の取引から発生する債権です。たとえば、銀行取引や売買取引によって生じる債権などが該当します。

ただし、契約では、どのような取引を対象にするのかを特定しておく必要があります。契約で定めた取引と関係のない債権まで、当然に担保されるわけではありません。

特定の原因に基づいて継続的に生じる債権

2つ目は、特定の原因をもとに、債務者との間で継続して発生する債権です。

たとえば、工場排水による損害賠償請求権などが該当します。

手形債権・小切手債権・電子記録債権

3つ目は、手形債権、小切手債権、電子記録債権です。これらも、根抵当権設定契約で定めた被担保債権の範囲に含まれます。

ただし、これらの債権であればすべて対象になるわけではありません。契約上定められた範囲に該当することが必要です。

元本確定前後で何が変わるか

元本確定前は、契約で定めた範囲に属する債権が、取引の継続に応じて担保の対象となります。これに対し、元本が確定すると、その時点で存在する対象債権を基準に、根抵当権が担保する元本が固定されます。その後に新たに発生した債権は、その根抵当権の対象になりません。