連帯債務者の1人が弁済などによって共同の免責を得た場合、原則として、他の連帯債務者に対して求償できます。ただし、他の連帯債務者がいることを知りながら通知を怠ると、求償権が制限されることがあります。
連帯債務者の求償権とは
弁済した連帯債務者は他の連帯債務者に求償できる
連帯債務者の1人が自己の財産で共同の免責を得たときは、他の連帯債務者に対して、各自の負担部分に応じた金額を請求できます。自己の負担部分を超えて弁済した場合だけでなく、負担部分を超えない弁済でも、一定の範囲で求償権が認められます。
ここでいう弁済には、通常の支払いのほか、代物弁済、更改、相殺、混同、供託も含まれます。
通知を怠ると求償権が制限される
二重の弁済を防ぐため、他の連帯債務者がいることを知っている場合は、弁済などの前後に通知する必要があります。通知をしなかったからといって、求償権が常に全て消滅するわけではありません。しかし、民法443条により、求償権が制限されます。
事前通知をせずに弁済した場合
事前通知が必要となる場面
他の連帯債務者がいることを知りながら、共同の免責を得る前に、その連帯債務者へ通知せずに弁済した場合が問題になります。
他の連帯債務者が債権者に対抗できた事由を主張できる
他の連帯債務者が債権者に対して対抗できる事由を有していたときは、通知がないまま弁済されると、その事由を求償者に対して主張できます。ただし、主張できるのは、その連帯債務者の負担部分の範囲です。
事後通知をしなかった場合
事後通知が必要となる場面
連帯債務者の1人が自己の財産で共同の免責を得て、他の連帯債務者がいることも知っていたのに、免責を得たことを通知しなかった場合です。
他の連帯債務者が善意で行った弁済などが有効とみなされる
事後通知がない場合に、他の連帯債務者が善意で弁済その他自己の財産をもって免責を得るための行為をしたときは、その連帯債務者は、その行為を有効なものとみなすことができます。
ここでいう「善意」とは、先に共同の免責が得られたことを知らない状態です。
まとめ:求償権を制限されないために通知を行う
連帯債務者の1人が弁済などをすれば、原則として他の連帯債務者に求償できます。しかし、他の連帯債務者がいることを知りながら事前通知を怠ると、相手方が債権者に対して対抗できた事由を、負担部分の範囲で主張されます。また、事後通知を怠ると、他の連帯債務者が善意で行った弁済などを有効なものとして扱われることがあります。
