事業用の借入れを保証する場合、公正証書が必要になる
保証契約は原則として書面または電磁的記録が必要
保証とは、主たる債務者が借入金などを返済しない場合に、保証人が代わりに返済する責任を負う契約です。保証契約は、口頭の合意だけでは効力が生じず、書面または電磁的記録で締結しなければなりません。
さらに、個人が事業用の借入れを保証する場合には、通常の書面要件に加えて、契約締結前に公正証書を作成するという特別なルールがあります。
公正証書が必要となる保証契約の範囲と要件
公正証書が必要となる2つのケース
保証人になろうとする者が個人である場合、次のいずれかに該当する契約では、公正証書による意思表示が必要です。
- 事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする保証契約
- 主たる債務の範囲に、事業のために負担する貸金等債務が含まれる根保証契約
貸金等債務とは、金銭の貸渡しまたは手形の割引を受けることによって負担する債務を指します。根保証契約は、一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約です。
公正証書に関する具体的な要件
公正証書は、保証契約の締結に先立ち、その締結日前1か月以内に作成されていなければなりません。また、公正証書で、保証人になろうとする者が保証債務を履行する意思を表示する必要があります。
これらの要件を欠く場合、保証契約は効力を生じません。
公正証書の要件が適用されない場合
保証人になろうとする者が法人である場合、この公正証書に関する特則は適用されません。個人が保証人になるのか、法人が保証人になるのかを、契約前に確認することが重要です。
事業用借入れの保証で確認すべきポイント
- 借入れが事業のための貸金等債務に当たるか
- 通常の保証契約か、事業用の貸金等債務を含む根保証契約か
- 保証人になろうとする者が個人か法人か
- 個人の場合、公正証書が契約締結日前1か月以内に作成されているか
- 公正証書に保証債務を履行する意思が表示されているか
これらの要件を欠く場合、保証契約は効力を生じません。契約を締結する前に、借入れの目的、保証契約の種類、公正証書の作成時期を確認しましょう。
まとめ
事業用の借入れを個人が保証する場合、保証契約の締結に先立ち、その締結日前1か月以内に作成された公正証書で、保証債務を履行する意思を示す必要があります。対象は、事業用の貸金等債務に関する通常の保証契約と、同債務を含む根保証契約です。一方、保証人になろうとする者が法人であれば、この公正証書に関する特則は適用されません。要件を欠く保証契約は効力を生じないため、契約前の確認が欠かせません。
