遺留分侵害額請求権には、請求できる期間が2つあります。相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないと、請求権は時効によって消滅します。また、これらの事実を知らなくても、相続開始の時から10年を経過すると請求権は消滅します。
期間内に、遺贈や贈与を受けた相手へ請求の意思を表示する必要があります。
遺留分侵害額請求権とは
遺留分とは、被相続人の贈与や遺贈によっても侵害することができない、一定の相続人に保障された財産の割合です。遺留分を侵害された遺留分権利者は、侵害額に相当する金銭の支払いを、受遺者または受贈者に請求できます。これが遺留分侵害額請求権です(民法1046条1項)。
遺留分を持つのは、相続権のある配偶者、子、直系尊属です。兄弟姉妹には遺留分がありません。遺留分権利者及びその承継人は、遺留分侵害額請求権を行使できます。
遺留分侵害額請求権の時効は「知った時から1年」
1年の起算点
遺留分侵害額請求権は、遺留分権利者が次の2つの事実を知った時から1年間行使しないと、時効によって消滅します(民法1048条)。
- 相続が開始したこと
- 遺留分を侵害する贈与または遺贈があったこと
1年以内に請求する方法
請求のために、直ちに裁判を起こす必要はありません。受遺者または受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを求める意思表示をすれば、請求権を行使できます。
何もしないまま1年間を過ぎると、遺留分侵害額請求権は時効によって消滅します。
遺留分侵害額請求権には相続開始から10年の期間制限もある
遺留分侵害額請求権は、相続開始の時から10年を経過した場合にも消滅します。贈与や遺贈の存在を知らなかったとしても、相続開始の時から10年を経過すると請求権は消滅します。
- 1年:相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から進む
- 10年:相続開始の時から進む
遺留分侵害額請求権の期間を過ぎないための注意点
請求の相手は、遺贈を受けた受遺者または贈与を受けた受贈者です。裁判上の請求でなくても、相手方に請求の意思を表示できます(民法1046条1項)。ただし、1年または10年の期間を経過すると請求権が消滅するため、期間を確認したうえで対応しましょう。
まとめ
- 相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年を過ぎると、遺留分侵害額請求権は時効で消滅する
- 相続開始から10年を経過した場合も請求権は消滅する
- 請求するには、受遺者または受贈者へ期間内に意思表示をする
- 1年と10年の期間を確認し、早めに請求することが重要である
