標準処理期間とは?行政手続法上の設定・公表と注意点を解説

行政庁に許認可などを申請すると、処分が出るまで一定の時間がかかります。この処理に通常必要となる期間の目安が標準処理期間です。

行政手続法では、標準処理期間の設定は努力義務とされています。一方、設定した場合には公にしておくことが必要です。ここでは、標準処理期間の意味と確認時の注意点を解説します。

標準処理期間とは

申請から処分までに通常必要となる標準的な期間

標準処理期間とは、申請が行政庁の事務所に到達してから、その申請に対する処分をするまでに、通常必要となる標準的な期間です。許認可などを求める申請が対象となります。

これは、適法な申請について通常必要となる期間の目安です。個別の申請について、必ずその期間内に処分されることを意味するものではありません。

申請先と処分をする行政庁が異なる場合

法令上、申請の提出先と処分をする行政庁が異なる場合、標準処理期間には次の期間も併せて含まれます。

  • 申請が提出先とされている機関の事務所に到達してから、処分をする行政庁の事務所に到達するまでの期間
  • 処分をする行政庁の事務所に申請が到達してから、処分をするまでの期間

行政手続法上の設定・公表のルール

標準処理期間の設定は努力義務

行政庁は、標準処理期間を定めるよう努めるものとされています。そのため、行政手続法上、すべての申請について必ず標準処理期間が設定されているわけではありません。

定めた場合は公にしておく義務がある

行政庁が標準処理期間を定めたときは、申請の提出先とされている機関の事務所への備付けや、その他の適当な方法によって、公にしておかなければなりません。

設定は努力義務、設定した場合に公にしておくことは法的義務という違いに注意しましょう。

標準処理期間を確認するときの注意点

不備のある申請に関する補正期間は通常含まれない

標準処理期間は、適法な申請を処理することを前提としています。記載漏れや必要書類の不足がある場合、申請者が申請を補正するために要する期間や、行政庁が補正を求めるための期間は、通常この期間に含まれません。

したがって、書類に不備があるときは、標準処理期間だけを基準に処分時期を判断することはできません。

標準処理期間を過ぎても直ちに不作為違法確認の訴えが認められるわけではない

標準処理期間内に処分がされないことを理由として、直ちに行政事件訴訟法に基づく不作為違法確認の訴えが認められるわけではありません。

処理状況や処分時期の見通しは問い合わせできる

申請者から求められた場合、行政庁は審査の進行状況や処分時期の見通しを示すよう努めます。ただし、これは努力義務です。また、示されるのは処分までの時間的な見通しであり、申請の適否の判断に係る見通しまで含むものではありません。

まとめ

  • 標準処理期間とは、申請から処分までに通常必要となる期間の目安です。
  • 設定は努力義務ですが、定めた場合に公にしておくことは義務です。
  • 申請の補正や補正を求めるためにかかる期間は、通常、標準処理期間に含まれません。
  • 期間を過ぎたことを理由として、直ちに不作為違法確認の訴えが認められるわけではありません。
  • 審査の進行状況や処分時期の見通しは、申請者が求めた場合、行政庁が示すよう努めることとされています。