聴聞調書と報告書とは?主宰者の作成義務と閲覧方法を解説

聴聞では、主宰者が手続の内容を記録し、その結果について意見をまとめます。そのために作成される書類が聴聞調書と報告書です。行政庁は、不利益処分を決める際に、聴聞調書の内容や報告書の意見を十分に参酌しなければなりません。

聴聞調書と報告書とは

聴聞調書は審理の経過を記録する書類

聴聞調書は、聴聞でどのような審理が行われたのかを記録した書類です。主宰者は、審理を行った各期日ごとに調書を作成し、当事者や参加人が述べた内容の要旨も明らかにします。

なお、審理が行われなかった場合は、聴聞が終結した後、速やかに作成します。

報告書は主宰者の意見を記載する書類

報告書は、聴聞の終結後に、当事者や参加人の主張に理由があるかどうかについて、主宰者の意見を記載した書類です。

つまり、聴聞調書が「手続で何が行われたか」を記録するのに対し、報告書は「主宰者が主張をどう評価したか」を示します。主宰者は、両方の書類を行政庁に提出します。

主宰者には作成・提出義務がある

行政手続法24条により、主宰者には聴聞調書と報告書を作成する義務があります。調書は原則として各期日ごとに作成し、報告書は聴聞終結後、速やかに作成します。

作成した報告書は、聴聞調書とともに行政庁へ提出しなければなりません。行政庁は不利益処分を決定する際、調書の内容と報告書に示された意見を十分に参酌する必要があります(行政手続法26条)。

聴聞調書と報告書の閲覧方法

閲覧できる人

聴聞調書と報告書の閲覧を求められるのは、当事者と参加人です(行政手続法24条4項)。当事者とは、不利益処分の名あて人となるべき者として聴聞の通知を受けた人、または通知が到達したものとみなされる人をいいます。参加人とは、利害関係を有する者として、主宰者の許可を受けて聴聞に参加する人です。

閲覧できる内容と別制度との違い

聴聞調書を閲覧すれば、審理の経過や当事者・参加人の陳述の要旨を確認できます。報告書では、主宰者が主張について示した意見を確認できます。

なお、聴聞の通知があった時から終結する時までの間に、当該事案について行政庁がした調査の結果に係る調書その他の不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求める制度(行政手続法18条)もあります。しかし、これは聴聞調書・報告書の閲覧とは別の制度です。

まとめ

  • 聴聞調書は、審理の経過や陳述の要旨を記録した書類です。
  • 報告書は、当事者等の主張に理由があるかについて主宰者の意見を記載した書類です。
  • 主宰者は両方を作成し、行政庁へ提出します。
  • 当事者と参加人は、聴聞調書と報告書の閲覧を求められます。