聴聞では、1回の期日で審理が終わらず、次回の期日に続けることがあります。また、審理を終結した後でも、必要な事情が生じれば再開される場合があります。
「続行」「終結」「再開」は、いずれも聴聞の進行に関する手続ですが、行われる時期や決定する者が異なります。以下、行政手続法に沿って整理します。
聴聞の「続行・終結・再開」の違い
3つの手続の概要
- 続行:聴聞を1回で終わらせず、別の期日を設けて審理を続けること
- 終結:審理を終了し、改めて意見や証拠書類などを提出する機会を与えない状態にすること
- 再開:いったん終結した聴聞を、必要に応じて改めて行うこと
行われる時期と決定する主体
続行と終結は、聴聞の審理中に主宰者が決定します。一方、再開は聴聞の終結後に行政庁が決定します。
つまり、続行はまだ聴聞が終結していない段階の手続であり、再開は終結後にもう一度審理を行う手続です。
聴聞の続行とは?要件と通知の手続
続行が認められる要件
主宰者は、審理の結果、なお聴聞を続ける必要があると認めるとき、新たな聴聞の期日を定めることができます(行政手続法22条1項)。
続行を決めた場合の通知
新しい期日を定めた場合、期日に出頭していた当事者・参加人には、その場で次回の期日と場所を告知できます。それ以外の当事者・参加人には、聴聞の期日と場所を書面で通知しなければなりません(22条1項・2項)。
当事者または参加人の所在が分からない場合は、聴聞の通知に関する公示送達の規定が準用されます(22条3項)。
聴聞の終結とは?終結できる要件
正当な理由なく当事者が出頭せず、書面も提出しない場合
当事者の全部または一部が、正当な理由なく期日に出頭せず、出頭に代わる陳述書や証拠書類なども提出しないとき、主宰者は、改めて意見を述べたり証拠を提出したりする機会を与えず、聴聞を終結できます(23条1項)。
参加人が出頭しない場合
参加人の全部または一部が期日に出頭しない場合も、主宰者は聴聞を終結できます(23条1項)。当事者の場合と異なり、参加人については、正当な理由がないことや書面を提出していないことまでは要件とされていません。
当事者に正当な理由があり、出頭できない状態が続く場合
当事者に正当な理由があり、期日に出頭できない状態が相当期間続くと見込まれる場合、主宰者は期限を定め、陳述書や証拠書類などの提出を求めることができます。そして、その期限が到来したときは、聴聞を終結できます(23条2項)。ただし、この場合は、正当な理由があることを前提に、まず書面提出の期限を定める点が重要です。
聴聞の再開とは?要件と手続
再開が認められる要件
行政庁は、聴聞の終結後に生じた事情により、改めて審理する必要があると認めるとき、聴聞の再開を命じることができます(25条)。
再開を決定するのは行政庁
再開を決めるのは主宰者ではなく行政庁です。行政庁は、主宰者が作成した報告書を主宰者に戻し、聴聞の再開を命じます。
再開時の通知
再開の通知には、聴聞の続行に関する規定が準用されます(25条、22条2項本文・3項)。
