地方自治法を根拠にできる関与とは?是正の要求・勧告・指示の違いを解説

地方自治法上の「関与」とは、普通地方公共団体の事務の処理に関し、国の行政機関または都道府県の機関が行う行為をいいます。

地方自治法を直接の根拠とする関与のうち、混同されやすいのが「是正の要求」「是正の勧告」「是正の指示」です。違いを理解するには、対象となる事務と法的拘束力を確認することが重要です。

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地方自治法における「関与」とは

関与の意味と主な種類

地方自治法上の関与には、助言・勧告、資料の提出の要求、是正の要求、同意、許可・認可・承認、指示、代執行、協議などがあります。

ただし、国や都道府県が普通地方公共団体に関与するには、原則として法律または法律に基づく政令による根拠が必要です。府令・省令・規則・告示だけを直接の根拠として関与することはできません。また、関与は目的達成に必要な最小限度にとどめ、地方公共団体の自主性・自立性にも配慮しなければなりません。

自治事務と法定受託事務の違い

自治事務とは、地方公共団体が処理する事務のうち、法定受託事務以外のものです。自治事務への関与は、原則として助言・勧告、資料提出の要求、是正の要求によります。

これに対し、法定受託事務への関与には、助言・勧告、資料提出の要求に加え、同意、許可・認可・承認、指示、代執行があります。この違いが、自治事務には「是正の要求」、法定受託事務には「是正の指示」が用いられる基本的な理由です。

是正の要求・是正の勧告・是正の指示の違い

項目 是正の要求 是正の勧告 是正の指示
対象 原則として自治事務 市町村の自治事務 法定受託事務
拘束力 あり なし あり
改善方法の裁量 一定の裁量あり 法的義務なし なし

是正の要求とは

自治事務への関与として、違反の是正や事務の改善を求めるものです。名称に「要求」とありますが、単なる要請ではありません。受けた普通地方公共団体は、是正・改善措置をとる法的義務を負います。

もっとも、具体的にどのような方法で改善するかについては、一定の裁量が認められます。

是正の勧告とは

市町村の自治事務について、違反の是正や事務の改善を勧めるものです。是正の要求や指示と異なり、勧告に従わなければならない法的義務は生じません。

なお、地方自治法上の「助言または勧告」に含まれる技術的な助言・勧告と、自治事務に対する「是正の勧告」は、文脈に応じて区別する必要があります。

是正の指示とは

法定受託事務について、必要な是正・改善措置を指示するものです。受けた普通地方公共団体は、指示された措置を実施する法的義務を負います。

是正の要求と同じく拘束力がありますが、指示された改善措置の内容について地方公共団体の裁量が認められない点が異なります。つまり、自治事務か法定受託事務かを確認し、改善方法を選べるかどうかを見ると、3つの違いを整理できます。