商人とは?固有の商人と擬制商人の違いをわかりやすく解説

「商人」とは、日常会話でいう商品を売る人全般ではありません。商法上、一定の要件を満たす者を指します。商人には、商行為を業として行う固有の商人と、商行為を業としていなくても商人とみなされる擬制商人があります。

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商人とは?商法上の意味をわかりやすく解説

商法4条は、商人として「固有の商人」と「擬制商人」を定めています。個人であるか会社であるかだけでなく、どのような行為を、どのような形で行っているかが重要です。

「業とする」とは

「業とする」とは、営利目的で、同種の行為を反復・継続して行うことです。単発の取引や、営利目的のない行為は、通常、業として行ったとはいえません。

固有の商人とは?成立要件と具体例

固有の商人とは、自己の名をもって商行為をすることを業とする者です(商法4条1項)。判断のポイントは、次の3つです。

  1. 自分が権利や義務の帰属主体となる立場で行うこと
  2. 商行為を行うこと
  3. その商行為を営利目的で反復・継続すること

たとえば、自分の名義で仕入れた商品を継続的に販売し、利益を得ている個人は、固有の商人に該当し得ます。「自己の名をもって」とは、取引から生じる権利や義務が自分に帰属するという意味です。

一方、農業・林業・漁業などの原始生産活動を行っているだけの者は、固有の商人ではありません。また、行政書士など資格に基づく業務や、芸術家などの自由業も、報酬を受け取っていても、営利目的がないため商人には含まれません。

擬制商人とは?固有の商人との違い

擬制商人とは、商行為を業としていなくても、設備や事業の形態に着目して、法律上商人とみなされる者です(商法4条2項)。次の2種類があります。

  • 店舗その他これに類似する設備によって、物品を販売する者
  • 鉱業を営む者

たとえば、農産物の生産者が、店舗などの設備によって物品を販売している場合、擬制商人に該当し得ます。単に物を売った経験があるだけでは足りず、店舗その他これに類似する設備によって販売していることがポイントです。鉱業を営む者も、商行為を業としていなくても擬制商人として扱われます。

固有の商人と擬制商人の違い

項目 固有の商人 擬制商人
判断の基準 商行為を業としているか 設備や事業形態に該当するか
商行為の継続 必要 商行為を業としていなくてもよい
主な対象 商行為を業とする個人・会社など 店舗などで物品を販売する者、鉱業を営む者

固有の商人か擬制商人かを判断するポイント

まず、営利目的で商行為を反復・継続しているかを確認します。次に、その取引を自己の名をもって行っているかを見ます。これらに当てはまらなくても、店舗その他これに類似する設備による物品販売や鉱業に該当すれば、擬制商人となる可能性があります。

つまり、固有の商人は行っている商行為を基準に判断し、擬制商人は設備や事業の形態を基準に判断します。擬制商人も、商法上は商人として扱われる点に注意が必要です。