自益権と共益権の違いとは?株主権の種類をわかりやすく解説

株主には、会社から主に経済的利益を受ける権利と、会社の経営に参加する権利があります。前者を自益権、後者を共益権といいます。

自益権と共益権の違いは、主な目的にあります。ただし、実際に認められる権利の内容は、保有する株式の種類や数によって異なる場合があります。

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自益権と共益権の違いとは?

自益権は「株主自身が経済的利益を受ける権利」

自益権とは、株主が会社から主に経済的利益を受ける権利です。代表的なものには、次の権利があります。

  • 剰余金の配当を受ける権利
  • 会社の解散時に残余財産の分配を受ける権利
  • 一定の場合に株式の買取りを請求する権利
  • 株主名簿の名義書換えを請求する権利
  • 募集株式や新株予約権の割当てを受ける権利

共益権は「会社の経営に参加する権利」

共益権とは、株主が会社の経営に参加するための権利です。代表例は次のとおりです。

  • 株主総会に出席し、議決権を行使する権利
  • 株主総会の招集を請求する権利
  • 株主総会で議題や議案を提案する権利
  • 定款、株主名簿、株主総会議事録などの閲覧・謄写を請求する権利
  • 会計帳簿の閲覧・謄写を請求する権利
  • 取締役の違法行為の差止めを請求する権利
  • 会社に対する各種の訴えを提起する権利

自益権と共益権の比較

比較項目 自益権 共益権
主な目的 株主自身が経済的利益を受ける 会社の経営に参加する
代表例 配当、残余財産の分配 議決権、帳簿閲覧、各種の訴えの提起

つまり、自益権は「自分が経済的利益を受ける権利」、共益権は「会社の経営に関わる権利」です。

自益権の主な内容

剰余金の配当・残余財産の分配を受ける権利

会社法105条は、株主の基本的な権利として、剰余金の配当を受ける権利と、会社の解散時に残余財産の分配を受ける権利を定めています。

もっとも、剰余金があれば必ず配当できるわけではありません。会社法上の分配可能額など、財源に関する規制に従う必要があります。

そのほかの自益権

  • 株式買取請求権:一定の組織再編や定款変更などの場合に、会社に株式の買取りを請求できる権利です。
  • 株主名簿の名義書換請求権:株式を取得した株主が、株主名簿の名義を書き換えるよう求める権利です。
  • 割当てを受ける権利:募集株式や新株予約権の割当てを受ける権利です。

これらは、法律上の要件や手続を満たす場合に行使できます。いつでも無条件に認められるわけではありません。

共益権の主な内容

株主総会で意思決定に参加する権利

株主は、株主総会への出席や議決権の行使を通じて、会社の意思決定に参加できます。また、一定の要件を満たせば、株主総会の招集を請求したり、議題・議案を提案したりできます。

ただし、株主総会の招集請求や議題の提案などには、保有する議決権個数や総株主の議決権に占める割合に関する要件が設けられています。一方、株主総会における議案提案権など、1株主に認められる権利もあります。

会社の運営を監督する権利

株主には、定款、株主名簿、株主総会議事録などの閲覧・謄写を請求する権利があります。また、一定の要件を満たせば、会計帳簿の閲覧・謄写を請求したり、取締役の違法行為を差し止めたり、会社に対して責任追及などの訴えを提起したりできます。

共益権を行使する際の注意点

株主権には、1株主に認められる単独株主権と、一定の議決権個数または総株主の議決権のうち一定割合以上を保有する株主に認められる少数株主権があります。また、議決権が制限された種類株式など、株式の内容によって権利の範囲が異なることもあります。行使を検討する際は、会社の定款と会社法上の要件を確認することが重要です。