予備費とは?憲法上の支出要件と国会の事後承諾を解説

国の予算は、毎会計年度の収入と支出の予定です。しかし、予算を作成した時点では予見し難い事態が発生すると、予算が不足する可能性があります。このような場合に備えて設けられるのが予備費です。

もっとも、予備費は内閣が自由に使えるお金ではありません。憲法は、予備費の設置や支出について、国会との関係を定めています。

予備費とは

予備費とは、予見し難い予算の不足に充てるための費用です。

憲法87条は予備費を設けることを認めていますが、必ず設けなければならないと定めているわけではありません。

憲法上、予備費を支出できる要件

憲法87条1項は、予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基づいて予備費を設け、内閣の責任で支出することができると定めています。

この規定から、予備費の支出には主に次の条件があります。

  1. 予見し難い予算の不足に充てること
  2. 予備費が国会の議決に基づいて設けられていること
  3. 内閣の責任で支出すること

これは、国の財政を国会の議決に基づいて処理するという財政民主主義と関係します。憲法83条は財政処理の基本原則を定め、憲法85条も国費の支出には国会の議決が必要であると定めています。

予備費を支出した後の国会の事後承諾

予備費は、憲法87条1項に基づき、内閣の責任で支出されます。

その一方で、憲法87条2項は、すべての予備費の支出について、内閣が事後に国会の承諾を得なければならないと定めています。

予備費の手続の流れ

  1. 国会の議決に基づいて予備費を設ける
  2. 予見し難い予算の不足が生じる
  3. 内閣の責任で予備費を支出する
  4. 内閣が、支出について国会の事後承諾を得る

このように、予備費は、国会の議決に基づいて設けられ、内閣の責任で支出され、さらにすべての支出について事後承諾が必要となる制度です。

まとめ

  • 予備費とは、予見し難い予算の不足に充てるための費用です。
  • 予備費は、国会の議決に基づいて設けられます。
  • 支出は内閣の責任で行われますが、すべての支出について事後に国会の承諾が必要です。
  • 予備費は設けることが可能であるだけで、必ず設けなければならないわけではありません。