行政法は公法?私法との違いと民法が適用される場合を解説

行政法は、基本的に公法に分類されます。ただし、行政法が関係する法律関係に、民法などの私法が一切適用されないわけではありません。

個別の行政法令や条例に特別な定めがあるか、また問題となっている関係が公法上のものか私法上のものかによって、適用される法律は変わります。

行政法は公法に分類される

公法と私法の違い

公法とは、国家機関と国民などの関係を規律する法律です。一方、私法は、私人相互の関係を規律する法律です。

行政機関と国民との関係や行政の仕組みを定める行政法は、一般に公法にあたります。これに対して、私人間の関係を定める民法は、私法に分類されます。

公法に分類されることと、民法が適用されないことは別

行政法が公法であることは、行政に関わる問題に公法だけが適用されるという意味ではありません。現代の裁判所の裁判や行政法学では、必要に応じて民法などの私法に属する法律も適用されます。

行政法の関係に民法が適用される場合

行政法上の特別な規定がない場合

行政法にあたる法律や条例に特別な定めがあれば、その規定が民法などの一般法に優先します。しかし、特別な定めがない部分については、民法などの一般法が適用されることがあります。

  1. まず、個別の行政法令や条例を確認する
  2. 特別な定めがなければ、民法などの一般法を検討する

法律関係の本質が私法関係である場合

行政機関が関与していても、法律関係の本質が私法関係である場合があります。このときは、民法の規定が適用されることがあります。

たとえば、国の普通財産の売払いは、国有財産法や会計法に基づいて行われても、本質的には私法上の関係とされています。また、公立病院の診療も私立病院の診療と本質的な差異がないため、診療に関する法律関係は私法関係とされます。

公法と私法が重なって適用される場合の考え方

公営住宅の使用関係では、公営住宅法や条例が特別法として民法・借地借家法に優先します。ただし、法律や条例に特別な定めがない限り、原則として民法や借地借家法が適用されます。また、契約関係を規律するにあたっては、信頼関係の法理が適用されます。

反対に、供託物の取戻請求のように、供託官が行政機関として請求に理由があるかどうかを判断する行為は、単なる民法上の寄託契約に関する行為にとどまらず、行政処分として扱われます。

したがって、民法が適用されるかは、行政法上の特別な規定の有無と、問題となる法律関係の性質を確認して判断することが重要です。

まとめ

  • 行政法は、基本的に公法に分類される
  • 民法は、私人相互の関係を規律する私法である
  • 行政法に特別な定めがない部分には、民法が適用されることがある
  • 行政機関が関与していても、法律関係の本質が私法関係であれば、民法が適用される場合がある
  • 公法か私法かだけでなく、個別の法令・条例と法律関係の性質を確認する必要がある