各省大臣の権限と職務とは?省令や行政事務の分担を解説

1. 各省大臣とは?行政事務を分担管理する「主任の大臣」

1-1. 国の行政機関における「省」の位置づけ

国家行政組織法では、内閣府とデジタル庁を除く、内閣の統轄の下にある行政機関について、組織の基準を定めています。国の行政機関の組織は、省・委員会・庁とされています。

このうち省は、各省大臣が分担管理・掌理する行政事務をつかさどる機関です。たとえば、社会資本の整備など、分野ごとに行政事務が分けられ、それぞれを担当する省が置かれています。

1-2. 各省大臣の立場

各省の長は各省大臣です。各省大臣は、内閣法上の「主任の大臣」として、担当する行政事務を分担管理します。

各省大臣は国務大臣の中から内閣総理大臣が命じます。ただし、内閣総理大臣が自ら各省大臣に当たることも可能です。

2. 各省大臣の主な職務と権限

2-1. 担当する行政事務を分担管理・掌理する

各省大臣が扱うのは、各省に関する法律などで定められた所掌事務の範囲です。したがって、各省大臣が国の行政事務を自由に担当するのではなく、省ごとに定められた行政事務を分担管理・掌理します。

2-2. 内閣の重要政策を企画・立案・総合調整する

各省大臣は、担当する行政事務に係る各省の任務に関連する特定の内閣の重要政策について、企画や立案、総合調整に関する事務も掌理します。ただし、当該重要政策について閣議で決定された基本方針に基づき、行政各部の施策を統一するために必要な範囲で行うものです。

2-3. 省の事務と職員を統括する

各省大臣には、担当分野の政策を扱うだけでなく、その機関の事務を統括し、職員の服務を統督する役割もあります。

3. 各省大臣が発する「省令」と法律・政令との関係

3-1. 各省大臣は省令を発することができる

各省大臣は、主任の行政事務について、その機関の命令である省令を発することができます。ただし、発令できるのは次のいずれかの場合に限られます。

  • 法律または政令を施行するために必要な場合
  • 法律または政令から特別に委任されている場合

3-2. 省令を発する権限には限界がある

各省大臣が省令を発するには、法律・政令の施行または法律・政令の特別の委任という根拠が必要です。

3-3. 法律・政令の制定や改廃が必要な場合

主任の行政事務について、法律や政令の制定・改正・廃止が必要だと各省大臣が認めた場合、各省大臣だけで決定することはできません。案を備えて内閣総理大臣に提出し、閣議を求める必要があります。

4. まとめ:各省大臣の権限と職務

  • 各省大臣は各省の長であり、担当する行政事務を分担管理する「主任の大臣」です。
  • 担当する行政事務に係る各省の任務に関連する特定の内閣の重要政策について、企画・立案・総合調整を行います。
  • 省の事務を統括し、職員の服務を統督します。
  • 法律・政令の施行や特別の委任に基づき、その機関の命令として省令を発することができます。
  • 法律・政令の制定や改廃が必要な場合は、内閣総理大臣に案を提出して閣議を求めます。