行政手続法の「命令等」とは?法規命令・審査基準・処分基準を解説

行政手続法における「命令等」とは、内閣または行政機関が定める命令や判断基準などの総称です。一般的な意味での「命令」だけではなく、法規命令、審査基準、処分基準、行政指導指針も含まれます。

行政手続法の「命令等」とは?

行政手続法2条8号では、命令等を、内閣または行政機関が定める次の4種類のものとしています。

種類 内容
法律に基づく命令・規則 処分の要件などを定める命令や、行政機関が定める規則
審査基準 申請により求められた許認可等をするかどうかを判断するための基準
処分基準 不利益処分をするか、どのような不利益処分とするかを判断するための基準
行政指導指針 複数の者に行政指導を行う場合に、その内容となるべき共通の事項

このように、命令等には、法規命令だけでなく、行政機関が許認可や不利益処分を判断する際の基準、行政指導の共通内容も含まれます。

法規命令とは?行政手続法上の「法律に基づく命令・規則」

法規命令とは、行政機関が定める行政立法の一種です。代表例には、政令、府令、省令、外局規則などがあります。また、地方公共団体の長などが独自に制定する規則も含まれます。

告示については、すべてが命令等に該当するわけではありません。命令と一体となって処分の要件を定める告示に限り、「法律に基づく命令」に含まれます。法規命令に対し、審査基準、処分基準、行政指導指針は行政規則に分類されます。

審査基準・処分基準・行政指導指針とは?

審査基準

審査基準は、申請により求められた許認可等をするかどうかを、その法令の定めに従って判断するために必要とされる基準です。つまり、申請に対する処分の判断基準です。

処分基準

処分基準は、不利益処分をするかどうか、また、どのような不利益処分とするかについて、その法令の定めに従って判断するために必要とされる基準です。審査基準との違いは、対象が不利益処分である点にあります。

行政指導指針

行政指導指針は、同一の行政目的を実現するため、一定の条件に該当する複数の者に行政指導を行う場合に、その行政指導に共通してその内容となるべき事項です。個別の行政指導そのものではありません。

法規命令と審査基準・処分基準の違い

法規命令は、行政立法として定められる命令や規則です。一方、審査基準、処分基準、行政指導指針は、行政機関が法令の定めに従って判断・指導するための行政規則です。

行政規則は、国民に対して法的な拘束力を有しません。ただし、行政手続法上はいずれも「命令等」に含まれ、制定の際には同法上の手続が義務付けられています。

まとめ

  • 命令等とは、内閣または行政機関が定める4種類の命令や基準である
  • 命令等には、法規命令のほか、審査基準、処分基準、行政指導指針が含まれる
  • 法規命令には、政令・府令・省令・外局規則などのほか、処分の要件を定める告示が含まれる
  • 審査基準は申請に対する処分、処分基準は不利益処分の判断基準である
  • 行政指導指針は、複数の者に対する行政指導の共通内容を定める
  • 行政規則は国民に対する法的拘束力を有しないが、行政手続法上の命令等に含まれる