行政庁が不利益処分をしようとする場合、処分を受けることになる人には、事前に意見や反論を述べる機会が与えられます。これが弁明の機会の付与です。
弁明の機会の付与とは
不利益処分を受ける前に弁明する手続
弁明とは、予定されている不利益処分の原因となる事実について、本人が自分の意見や反論を伝えることです。
弁明の機会の付与は、聴聞のように期日に出頭して審理を受ける手続とは異なります。原則として、弁明書を提出して行います。
弁明は書面提出が原則
行政庁が口頭での弁明を認めた場合を除き、弁明書を提出します。弁明書と一緒に、主張を裏付ける証拠書類や証拠物を提出することもできます。
弁明書の提出方法
弁明書を提出する場合
行政庁から届いた通知書で提出先と提出期限を確認し、弁明書を提出します。弁明書には、予定される処分の原因となる事実についての意見や反論を記載します。必要があれば、証拠書類などを添付します。
口頭で弁明する場合
口頭による弁明は、行政庁が認めた場合に限られます。通知された日時と場所に出頭して弁明します。したがって、口頭での手続が案内されていない限り、弁明書を提出するのが原則です。
代理人による手続
弁明の機会の付与には、代理人に関する規定が準用されます。そのため、本人は代理人を選任し、弁明に関する手続を行わせることができます。
行政庁から通知される事項
弁明書を提出する場合の通知事項
行政庁は、提出期限までに相当な期間を置いて、次の事項を書面で通知します。
- 予定される不利益処分の内容
- 処分の根拠となる法令の条項
- 不利益処分の原因となる事実
- 弁明書の提出先
- 弁明書の提出期限
口頭で弁明する場合の通知事項
口頭による弁明が認められる場合は、予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項、不利益処分の原因となる事実に加えて、出頭すべき日時と場所が書面で通知されます。
本人の所在が分からない場合
本人の所在が判明しないときは、通知事項を記載した書面を行政庁の事務所の掲示場に掲示できます。掲示を始めた日から2週間が経過すると、本人に通知が到達したものとみなされます。
弁明の機会の付与で確認しておきたい点
通知書を受け取ったら、弁明書の提出先と期限、または出頭日時と場所を確認しましょう。
なお、弁明の機会の付与では、聴聞に関する規定がすべて適用されるわけではありません。所在不明の場合の取扱いと代理人に関する規定は準用されますが、利害関係人の参加、文書等の閲覧請求、聴聞調書や報告書の参酌義務などは準用されません。
まとめ
- 弁明の機会の付与とは、不利益処分の前に意見や反論を述べる手続です。
- 原則は弁明書の提出であり、口頭での弁明は行政庁が認めた場合に限られます。
- 弁明書には証拠書類や証拠物を添付できます。
- 通知書には、処分の内容・根拠条項・原因事実・提出先・期限などが記載されます。
