行政行為の公定力とは?違法な行政処分の効力をわかりやすく解説

行政庁の処分に違法な点があっても、処分を受けた人が直ちにその効力を無視できるとは限りません。違法な行政行為であっても、権限のある機関によって取り消されるまでは、原則として効力を持つと扱われます。この効力が「公定力」です。

行政行為とは?公定力を理解するための前提

行政庁が国民の権利義務を一方的に決める行為

行政行為とは、行政庁が法律を根拠として、特定の人に対し、一方的に法的効果を発生させる行為です。たとえば、営業許可や違反建築物の除去命令などが挙げられます。

一方、行政機関内部の決定や、相手方との合意で成立する行政契約、法的な強制力を持たない行政指導は、行政行為とは区別されます。公定力が問題となるのは、主にこのような行政行為です。

行政行為には違法なものもある

行政庁の行為が法律に反していれば、その行政行為は違法です。ただし、違法であることと、直ちに効力がなくなることは別問題です。この点を説明するのが公定力です。

行政行為の公定力とは?違法でも取り消されるまで効力を持つ

公定力の意味

行政行為は、違法であっても、正当な権限を持つ行政機関や裁判所によって取り消されるまでは、原則として効力を有します。相手方だけでなく、第三者や他の行政機関も、自己判断でその効力を否定できません。

つまり、公定力は行政行為を適法にする力ではありません。取り消されるまでは、いったん効力を認めて扱う仕組みです。

なぜ違法な行政行為にも公定力が認められるのか

誰もが自由に行政処分の効力を否定できると、行政上の法律関係が不安定になります。そこで、処分の効力を争う場合は、原則として取消訴訟や、行政不服審査法に基づく審査請求などの手続を利用します。

公定力という言葉を直接定めた一般的な規定があるわけではなく、行政行為の効力を争うための取消訴訟制度との関係から認められていると説明されます。

公定力が認められない例外と、似た効力との違い

「重大かつ明白な瑕疵」がある場合は当然無効

公定力には例外があります。行政行為の違法が重大かつ明白な瑕疵に当たる場合、その行為は当然に無効となります。無効とは、取り消しを待たなくても、法的効力がないものとして扱われることです。

したがって、通常の違法な行政行為は取り消されるまで効力を持つ一方、重大かつ明白な瑕疵がある行為は当然無効となる、という違いがあります。

公定力と不可争力の違い

  • 公定力:違法な行政行為でも、取り消されるまでは効力を持つこと
  • 不可争力:一定期間が経過すると、行政行為の違法性を争えなくなること

公定力は行政行為の効力を維持する仕組みであり、不可争力は法律関係を確定させる仕組みです。両者は似ていますが、同じものではありません。

まとめ|行政行為の公定力は「違法でも取り消されるまで有効」という効力

行政行為の公定力とは、行政処分が違法であっても、権限のある機関に取り消されるまでは原則として効力を持つことです。相手方や第三者が、自己判断で処分の効力を否定することはできません。

ただし、違法が重大かつ明白で、行政行為が当然に無効となる場合は例外です。処分の効力を争うときは、原則として取消訴訟や審査請求などの手続を利用します。