行政サービスの拒否とは?水道供給を拒否できる正当な理由を解説

行政サービスの拒否とは、行政サービスを行わないことにより、一定の義務の履行を確保する手段です。上水道の供給や下水道処理などが例として挙げられます。

行政サービスの拒否とは

サービスを提供しないことで義務の履行を確保する手段

行政サービスの拒否は、サービスの提供を拒むことにより、相手方に一定の義務を履行させるものです。行政上の強制執行以外の強制手段にあたります。

水道供給の拒否には法律上の制限がある

水道法15条1項は、水道事業者について、事業計画に定める給水区域内の需要者から給水契約の申込みを受けたときは、正当の理由がなければ、これを拒んではならないと定めています。

したがって、給水区域内の需要者から給水契約の申込みを受けた場合、水道事業者は、正当な理由がなければ拒否できません。

水道供給を拒否できる「正当な理由」

急激な水道水の需要増加を抑制する場合

給水契約の締結を拒むことにより、急激な水道水の需要の増加を抑制することは、水道法15条1項の「正当な理由」にあたります。

最高裁判所も、給水契約の締結を拒むことにより急激な水道水の需要の増加を抑制することは適法であると判断しています(最判平成11年1月21日)。

正当な理由にならない拒否の例

行政指導を守らせることだけを目的とする場合

市の宅地開発指導要綱を順守させるためだけに、給水契約の締結を拒むことは、正当な理由とは認められません。

最高裁判所は、市の宅地開発指導要綱を順守させるために給水を拒否した事例について、そのような拒否は水道法15条1項の「正当な理由」にあたらないと判断しました(最判平成元年11月8日)。

まとめ

  • 行政サービスの拒否とは、サービスを行わないことにより、一定の義務の履行を確保する手段です。
  • 水道法15条1項により、給水区域内の需要者からの給水契約の申込みは、正当な理由がなければ拒否できません。
  • 急激な水道水の需要の増加を抑制するための拒否は、正当な理由にあたります。
  • 市の宅地開発指導要綱を順守させるためだけの給水拒否は、正当な理由とは認められません。