支配人とは?選任方法や支店長との違いをわかりやすく解説

「支配人」と「支店長」は似た名称ですが、法律上は同じ意味ではありません。支配人とは、商人や会社から権限を与えられ、営業所や本店・支店で営業または事業を任される商業使用人です。この記事では、商法・会社法における支配人の意味、選任方法、支店長との違いを説明します。

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支配人とは

支配人は商人や会社の営業を任される使用人

商人は、支配人を選任し、営業所で営業を行わせることができます(商法20条)。会社も、支配人を選任し、本店または支店で事業を行わせることができます(会社法10条)。

支配人は独立した商人ではなく、通常、商人や会社との雇用関係に基づいて業務を行う立場です。また、「支配人」「支店長」「営業所長」といった肩書きだけで、法律上の支配人かどうかが決まるわけではありません。

支配人に認められる権限

支配人は、担当する営業所の営業・事業について、商人や会社に代わり、幅広い代理権を持ちます。具体的には、営業・事業に関する一切の裁判上・裁判外の行為をする権限です(商法21条1項、会社法11条1項)。

さらに、営業所における他の使用人を選任・解任することもできます。支配人の代理権に社内で制限を設けたとしても、相手方がその制限を知らない場合、原則としてその制限を相手方に主張できません(商法21条3項、会社法11条3項)。

支配人の選任方法

個人商人が支配人を選任する場合

個人商人の場合は、営業主である商人自身が支配人を選任します(商法20条)。選任された者は、営業所における営業を任されます。法律上の支配人は、支配人登記をされた者を指します。

会社が支配人を選任する場合

会社は、本店または支店に支配人を置くことができます(会社法10条)。株式会社では、取締役が支配人を選任し、取締役会設置会社では取締役会の決議によって選任します(会社法348条、362条)。このように、個人商人は営業主、株式会社は取締役または取締役会が選任する点に違いがあります。

支配人と支店長の違い

役職名ではなく、法律上の権限と登記の有無で判断する

支配人は、その権限を与えられ、支配人登記がされた者を指します。そのため、支店長という肩書きの人でも、支配人登記があれば法律上の支配人です。

反対に、支店長と呼ばれていても支配人登記がなければ、法律上の支配人ではなく、法律上は「表見支配人」と呼ばれます。つまり、支店長イコール支配人ではなく、肩書きだけでは判断できないということです。

支配人登記がない支店長は表見支配人として扱われる

支配人登記がない支店長などは、法律上「表見支配人」として扱われます(商法24条、会社法13条)。表見支配人には裁判上の行為をする代理権はありません。

ただし、相手方が悪意でない限り、営業所の営業・事業に関する一切の裁判外の行為をする権限があるものとみなされます。したがって、支店長と法律上の支配人は、肩書きではなく、登記や法律上の権限によって区別する必要があります。

まとめ

支配人とは、商人や会社から営業所などの営業・事業を任される商業使用人です。営業に関して、裁判上・裁判外の幅広い代理権を持ちます。

個人商人の場合は営業主が、株式会社の場合は取締役または取締役会が支配人を選任します。支店長という肩書きだけでは支配人とは限らず、支配人登記や法律上の権限の有無を確認することが重要です。登記がない場合でも、表見支配人として一定の裁判外の権限が認められることがあります。