詐害営業譲渡とは?残存債権者が譲受人に請求できる場合を解説

営業譲渡をしても、譲渡人の債務がすべて譲受人に移るわけではありません。そのため、譲渡後も譲渡人に債務が残ることがあります。

このような場合に問題となるのが詐害営業譲渡です。一定の要件を満たせば、債務を承継していない譲受人に対しても、残存債権者が債務の履行を請求できます。

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詐害営業譲渡とは

営業譲渡後も譲受人に承継されない債務がある

営業譲渡とは、商人や会社が営業を他人や他社に譲り渡すことです。営業譲渡をしたからといって、譲渡人が負っていた債務のすべてが譲受人に移転するわけではありません。

譲受人に承継されなかった債務については、債権者は譲渡人に請求することになります。このような債権者を残存債権者といいます。

残存債権者を害することを知って行う営業譲渡

譲渡人が、残存債権者を害することを知って営業を譲渡した場合、詐害営業譲渡に関する規定が適用されることがあります。

この場合、譲受人が営業譲渡の効力が生じた時にその事情を知らなかったときを除き、残存債権者は譲受人に請求できます。

残存債権者が譲受人に請求できる要件

譲渡人が残存債権者を害することを知っていた

営業譲渡が行われただけでは、譲受人への請求は認められません。譲渡人が、営業譲渡によって残存債権者を害することを知っていた必要があります。

対象となる債務が譲受人に承継されていない

この制度の対象は、譲受人に承継されない債務です。譲受人に承継された債務は、この制度の対象とはなりません。

譲受人が事情を知らなかった場合は請求できない

譲受人が営業譲渡の効力が生じた時に、残存債権者を害することを知らなかった場合、残存債権者は譲受人に請求できません。したがって、譲渡人が残存債権者を害することを知っていた場合でも、譲受人の認識が重要です。

譲受人に請求できる内容と限度

承継した財産の価額が上限となる

要件を満たす場合、残存債権者は譲受人に対して対象債務の履行を請求できます。ただし、譲受人が承継した財産の価額が限度です。

譲受人が譲渡人の債務全額について、無制限に責任を負うわけではありません。

詐害営業譲渡についてのポイント

詐害営業譲渡とは、譲渡人が残存債権者を害することを知って営業を譲渡した場合に、一定の条件のもとで残存債権者が譲受人に債務の履行を請求できる制度です。

  1. 債務が譲受人に承継されていないこと
  2. 譲渡人が残存債権者を害することを知っていたこと
  3. 譲受人が営業譲渡の効力が生じた時にその事情を知らなかった場合でないこと
  4. 請求できる範囲は承継した財産の価額が限度であること

譲受人が営業譲渡の効力が生じた時に事情を知らなかった場合は、請求できません。また、請求できる場合でも、承継した財産の価額を超える請求はできません。

まとめ

詐害営業譲渡は、譲渡人が残存債権者を害することを知って営業を譲渡した場合に、一定の条件のもとで残存債権者を保護する仕組みです。譲渡人と譲受人の認識、承継されない債務の範囲、承継した財産の価額を確認することが、請求の可否と範囲を判断するポイントになります。