合併の効力発生日とは、合併の法律上の効果が発生する日です。この日になると、消滅会社は消滅し、その会社が持っていた権利や負っていた義務の全部が、存続会社または新設会社に引き継がれます。
合併には、既存の会社が残る吸収合併と、新しい会社を設立する新設合併があります。効力発生日は、合併の種類によって異なります。
合併の効力発生日とは
合併の効力発生日の基本的な意味
合併契約を結んだだけで、直ちに合併の効力が生じるわけではありません。原則として、株主総会の承認や債権者保護手続など、必要な手続を経ることが前提となります。
そのうえで、吸収合併では契約で定めた日、新設合併では新設会社が成立した日に、合併の効力が発生します。
吸収合併の効力発生日
合併契約で定めた日に効力が生じる
吸収合併では、合併契約に記載された効力発生日に効力が生じます(会社法750条1項)。存続会社は従来から存在する会社であり、消滅会社は効力発生日に消滅します。
たとえば、C社を存続会社、D社を消滅会社とし、契約で効力発生日を10月1日と定めた場合、必要な手続が終わっていれば、10月1日に合併の効力が生じます。
効力発生日に権利義務が存続会社へ移る
効力発生日になると、D社の契約上の地位、債権、債務など一切の権利義務が、C社に包括的に承継されます。包括承継とは、権利や債務ごとに通常の譲渡手続をするのではなく、合併の効果によって一括して引き継ぐことです。
なお、吸収合併存続会社の株主総会で、消滅会社の債務の一部を承継しない旨の合併承認決議が成立しても、その定めは無効です。合併では、特定の債務だけを切り離して承継しない形にはできません。
新設合併の効力発生日
新設会社が成立した日に効力が生じる
新設合併では、合併契約で指定した日ではなく、合併によって設立される新設会社が成立した日に効力が生じます。新設会社の成立日は、設立登記をした日です(会社法754条1項)。
消滅会社の権利義務が新設会社へ承継される
新設合併では、合併に参加した会社が消滅し、設立登記によって成立した新設会社が承継先となります。したがって、吸収合併のように既存の存続会社へ移るのではなく、消滅会社の権利義務の全部が、新たに設立された会社へ包括的に引き継がれます。
まとめ:合併の効力発生日と承継時期
- 吸収合併:合併契約で定めた日に効力が生じる
- 新設合併:新設会社の成立日、つまり設立登記日に効力が生じる
- 効力発生日には、消滅会社の権利義務の全部が承継される
- 必要な承認や債権者保護手続などを終えていることが前提となる
- 一部の債務を承継しないという定めは無効となる
