株主名簿の基準日とは、株主として権利を行使できる人を確定するために、会社が定める一定の日です。株主は株式の譲渡などによって変動するため、株主総会の開催日に毎回、権利を持つ人を確認するのは容易ではありません。そこで、基準日の株主名簿をもとに、権利を行使できる株主を確定します。
株主名簿の基準日とは
基準日の意味
会社法124条1項は、株式会社が、株主総会の議決権などの権利を行使する株主を確定するため、基準日を定められるとしています。基準日に株主名簿に氏名や名称などが記載・記録されている株主を、一般に「基準日株主」といいます。
会社は、基準日株主について、あらかじめ定めた内容の権利行使を認めます。つまり、基準日は「誰を株主として扱うか」を判断する基準となる日です。
基準日が必要とされる理由
株式は日々譲渡される可能性があり、株主は変動します。たとえば、株主総会の開催日までに株式の移転が何度も行われると、その時点で議決権を持つ人を確定する作業が複雑になります。基準日を設ければ、その日の株主名簿を確認することで、権利行使者を整理できます。
基準日と株主総会・株主の権利行使との関係
株主総会の議決権を行使できる株主
株主総会の議決権について基準日が定められている場合、原則として、基準日に株主名簿に記載・記録されていた株主が議決権を行使します。判断の基準は、必ずしも株主総会の開催日に株主であるかどうかではありません。
たとえば、基準日には株主名簿に記載されていた人が、その後、株式を譲渡したとします。この場合でも、基準日を基準に議決権を行使できる株主を定めていれば、株主総会の開催日に株式を持っていないことだけで、基準日株主としての扱いが変わるわけではありません。
議決権以外の権利にも基準日を設定できる
基準日は、株主総会の議決権に限らず、会社が定めたその他の株主の権利にも設定できます。ただし、会社は、基準日とともに、基準日株主が行使できる権利の内容を定めなければなりません。
また、その権利は、基準日から3か月以内に行使するものに限られます。基準日を過ぎてから株主になった人が、当然に基準日株主として扱われるわけではない点にも注意が必要です。
株主名簿の基準日を定める際のルール
基準日と権利の内容を定める
会社が基準日を定めるときは、次の事項を明確にします(会社法124条2項)。
- 基準日
- 基準日株主が行使できる権利の内容
定めた権利は、基準日から3か月以内に行使されるものでなければなりません。
定款に基準日を定めていない場合の公告
基準日は、あらかじめ定款に記載しておくことが必須ではありません。会社が必要に応じて基準日を定めることもできます。
定款に基準日を定めていない会社が基準日を設定する場合、会社法124条3項により、基準日の2週間前までに、次の事項を公告しなければなりません。
- 基準日
- 基準日株主が行使できる権利の内容
まとめ
株主名簿の基準日とは、株主として権利を行使できる人を確定するための日です。基準日に株主名簿へ記載・記録されている株主が、基準日株主として扱われます。議決権だけでなく、会社が定めたその他の権利にも基準日を設定できますが、対象となる権利は基準日から3か月以内に行使するものに限られます。定款に定めず基準日を設定する場合は、2週間前までの公告が必要です。
