株主提案権とは、株主が株主総会で扱うテーマや具体的な提案について、会社に働きかける権利の総称です。会社法上は、主に議題提案権、議案要領通知請求権、議案提出権の3つに分けて考えます。それぞれ、提案する対象や行使する時期が異なります。
株主提案権とは?3つの権利の違い
| 権利 | 株主が求めること | 行使する場面 |
|---|---|---|
| 議題提案権 | 株主総会で扱うテーマを追加する | 招集前 |
| 議案要領通知請求権 | 具体的な議案の内容を招集通知に記載させる | 招集前 |
| 議案提出権 | 株主総会で具体的な議案を提出する | 株主総会当日 |
「議題」と「議案」の違い
議題は、株主総会で審議するテーマです。これに対して議案は、そのテーマについての具体的な提案内容を指します。したがって、議題提案権は審議する項目を追加する権利、議案要領通知請求権は提案内容を事前に株主へ知らせるよう求める権利です。
議題提案権・議案要領通知請求権とは
議題提案権の内容と要件
議題提案権は、株主総会で取り上げる事項を、株主総会の目的とするよう取締役に請求する権利です。原則として、6か月前から引き続き総株主の議決権の1%以上を有する株主、または300個以上の議決権を有する株主が行使できます。請求は、株主総会の日の8週間前までに行わなければなりません。
議案要領通知請求権の内容と要件
議案要領通知請求権は、株主が提出する議案の要領を、株主総会の招集通知に記載するよう取締役に求める権利です。行使できる株主の要件と期限は、議題提案権と同じです。議題を追加するだけでなく、他の株主が議案の内容を事前に確認できる点に意味があります。
議案要領通知請求権の議案数の上限
取締役会設置会社では、1人の株主が請求できる議案数は原則として10個までです。ただし、役員等の選任、役員等の解任、会計監査人の不再任に関する議案は、それぞれ1個として数えます。
議案提出権とは
議案提出権の内容
議案提出権は、株主総会の目的となっている事項について、具体的な議案を総会の場で提出できる権利です。ただし、その株主が議決権を行使できる事項に限られます。招集通知に記載されていない新しい議題を、当日に自由に追加する権利ではありません。
議案提出権が認められない場合
次の議案は提出できません。
- 法令または定款に違反する議案
- 実質的に同一の議案について、過去3年以内に、当該議案について議決権を行使できる株主の議決権の10分の1以上の賛成を得られなかった議案
なお、定款で10分の1未満の割合を定めている場合は、その割合が基準になります。
3つの権利の使い分け
新しいテーマを株主総会で審議してもらうなら議題提案権、自分の具体的な議案を招集通知に載せて事前に知らせたいなら議案要領通知請求権を使います。すでに株主総会の目的となっている事項について、当日に具体的な提案をする場合は議案提出権が問題になります。
