審級制度とは、裁判を第一審・第二審・第三審の段階に分け、下級裁判所の判断を上級裁判所で見直せるようにした制度です。日本の裁判制度は、三審制を採用しています。
審級制度とは?三審制の基本を解説
審級制度の意味
裁判を第一審、第二審、第三審に分ける仕組みが審級制度です。第一審の判決に対する不服申立てを控訴、第二審の判決に対する不服申立てを上告といいます。
事実審と法律審の違い
事実審は、事実問題と法律問題を併せて審理する裁判です。一方、法律審は、事実審をした裁判について、法令違反の有無を審理する裁判です。
民事事件では、第一審と第二審が事実審、第三審が法律審です。刑事事件では、原則として第一審が事実審、第二審・第三審が法律審です。ただし、刑事事件の第二審は、事実誤認と量刑不当を審理する場合に限り事実審となります。また、第三審である最高裁判所は法律審ですが、刑事訴訟法411条3号により、職権で事実問題を判断することもあります。
民事・刑事裁判における審級の流れ
一般的な民事事件の流れ
地方裁判所を第一審とする一般的な民事事件は、次の順で進みます。
地方裁判所(第一審)→控訴→高等裁判所(第二審)→上告→最高裁判所(第三審)
民事訴訟の控訴審は、第一審の審理を基礎としつつ、控訴審でも新たな訴訟資料の提出を認めて原判決の当否を審理する続審です。
簡易裁判所が第一審となる民事事件
訴訟の目的の価額が140万円を超えない民事事件では、簡易裁判所が第一審を担当します。
簡易裁判所(第一審)→控訴→地方裁判所(第二審)→上告→高等裁判所(第三審)
一般的な刑事事件の流れ
地方裁判所を第一審とする一般的な刑事事件は、次の流れです。
地方裁判所(第一審)→控訴→高等裁判所(第二審)→上告→最高裁判所(第三審)
刑事訴訟における控訴審の裁判は、原則として、原判決を対象として原審の資料だけに基づきその当否を審査する事後審です。ただし、事実誤認と量刑不当を審理する場合に限り、その限度で事実審となります。
簡易裁判所が第一審となる刑事事件
罰金以下の刑、選択刑として罰金が定められている等の比較的罪の軽い刑事事件では、簡易裁判所が第一審となります。
簡易裁判所(第一審)→控訴→高等裁判所(第二審)→上告→最高裁判所(第三審)
家庭裁判所が第一審となる事件
家事事件、少年事件、人事訴訟では、家庭裁判所が第一審を担当します。
家庭裁判所(第一審)→控訴→高等裁判所(第二審)→上告→最高裁判所(第三審)
このように、事件の種類によって第一審を担当する裁判所や、第三審となる裁判所が変わります。
