犯罪が発生しても、検察官が起訴しなければ刑事裁判は始まりません。検察官が起訴しない「不起訴処分」に納得できない場合、その判断が適切だったかを審査する制度が検察審査会です。ここでは、検察審査会の役割や申立て、起訴議決までの流れを解説します。
検察審査会とは
検察官の不起訴処分を審査する機関
公訴を提起できるのは検察官だけであり、これを起訴独占主義といいます。また、検察官は犯罪の内容や証拠などを考慮し、起訴するかどうかを判断できます。これが起訴便宜主義です。
検察審査会は、このような検察官の不起訴処分について、国民の意見を反映しながら、その判断が妥当だったかを審査する機関です。
検察審査会の構成
検察審査会は、衆議院議員の選挙権を有する人の中から、くじで選ばれた11人の検察審査員で構成されます。任期は6か月で、審査員の中から互選によって検察審査会長が選ばれます。
検察審査会への審査の申立て
審査を申し立てられる人
犯罪の被害者や、その犯罪について告訴・告発をした人は、検察官の不起訴処分に不服があるとき、その処分が適切だったかについて審査を申し立てることができます。
検察審査会が職権で審査する場合
申立てがなくても、検察審査会の構成員の過半数による議決があれば、検察審査会が自ら審査を行うこともあります。
審査の流れと起訴議決
審査で示される3種類の議決
審査の結果、検察審査会は次のいずれかの議決をします。
- 起訴相当:不起訴処分を見直し、起訴すべきだと判断すること
- 不起訴不当:不起訴処分は適切ではなかったと判断すること
- 不起訴相当:不起訴処分は適切だったと判断すること
起訴相当から起訴議決までの流れ
- 検察審査会が「起訴相当」の議決をする
- 検察官が再捜査を行う
- 再捜査後も検察官が起訴しない判断をする
- 検察審査会が改めて審査する
- 2回目の審査で起訴すべきだという議決がされると、「起訴議決」となる
- 裁判所から指定を受けた弁護士である「指定弁護士」が公訴を提起する
起訴議決が出た場合の効果
起訴議決がされると、検察官ではなく指定弁護士が公訴を提起します。これにより、被疑者は必ず起訴されます。
ただし、最初の「起訴相当」の議決だけで直ちに起訴されるわけではありません。検察官の再捜査と、検察審査会による再度の審査を経て、「起訴議決」に至る必要があります。
まとめ
- 検察審査会は、検察官の不起訴処分が適切だったかを審査する制度です。
- 被害者や告訴・告発をした人は、不起訴処分に不服がある場合に審査を申し立てられます。
- 議決には「起訴相当」「不起訴不当」「不起訴相当」の3種類があります。
- 起訴相当の後も起訴されない場合、再度の審査で起訴議決がされます。
- 起訴議決がされると、指定弁護士が公訴を提起し、被疑者は必ず起訴されます。
