地方裁判所は、民事事件や刑事事件について、原則として最初の審理を担当する裁判所です。一方で、簡易裁判所が第一審として出した民事判決に対する控訴を扱うこともあります。
この記事では、地方裁判所が第一審となる事件と、控訴審として担当する範囲を説明します。
地方裁判所とは
地方裁判所の位置づけ
日本の裁判所は、最高裁判所と下級裁判所に分けられます。地方裁判所は、下級裁判所の一つです。
地方裁判所の事件は、裁判官1人で審理するのが原則です。ただし、一定の場合には、3人の裁判官で構成される合議体が審理します。
第一審・控訴審とは
第一審とは、事件について最初に審理し、判断する裁判です。これに対し、第一審の判決に不服がある場合に、上級の裁判所で審理する手続が控訴審です。
日本では、原則として第一審、控訴審、上告審の3段階で審理を受けられる三審制度が採用されています。
地方裁判所が第一審を担当する事件
民事事件
地方裁判所は、民事事件の原則的な第一審裁判所です。ただし、訴訟の目的の価額が140万円を超えない請求事件は、原則として簡易裁判所が第一審を担当します。
そのため、民事事件では、簡易裁判所が扱う事件を除いて、地方裁判所が第一審になります。
刑事事件
刑事事件についても、地方裁判所が原則的な第一審裁判所です。ただし、罰金以下の刑に当たる罪や、選択刑として罰金が定められている罪など、比較的軽い罪については、簡易裁判所が第一審を担当します。
このような簡易裁判所の担当事件を除き、地方裁判所で刑事裁判が行われます。なお、内乱罪についての訴訟は、高等裁判所が第一審を担当します。
地方裁判所が担当しない主な事件
家事事件や少年事件は、家庭裁判所が担当します。また、簡易裁判所が第一審となる民事事件・刑事事件もあります。したがって、地方裁判所がすべての事件の第一審になるわけではありません。
地方裁判所が控訴審を担当する範囲
簡易裁判所の民事判決に対する控訴
地方裁判所は、簡易裁判所が第一審として出した民事判決に対する控訴事件を担当します。この場合、地方裁判所は第一審ではなく第二審です。
たとえば、少額の損害賠償請求を簡易裁判所が審理し、判決を出したとします。その内容に不服がある当事者は、地方裁判所に控訴できます。
地方裁判所の判決に対する控訴先
地方裁判所が第一審として出した判決に不服がある場合、控訴先は高等裁判所です。地方裁判所が、自ら出した判決に対する控訴を審理することはありません。
簡易裁判所の刑事判決に対する控訴先
簡易裁判所の刑事事件の判決に対する控訴は、高等裁判所が担当します。地方裁判所が控訴審となるのは、簡易裁判所の民事判決に対する控訴である点に注意が必要です。
まとめ
- 地方裁判所は、民事事件・刑事事件の原則的な第一審裁判所です。
- 民事事件では、原則として140万円を超えない請求事件などは簡易裁判所が担当します。
- 刑事事件では、比較的軽い罪などを除き、地方裁判所が第一審を担当します。
- 地方裁判所は、簡易裁判所の民事判決に対する控訴審も担当します。
- 地方裁判所の判決に対する控訴は、高等裁判所に申し立てます。
