国民主権とは?主権の3つの意味と権力的契機・正当性の契機を解説

国民主権とは、国の政治のあり方を最終的に決定する力が国民にあるという考え方です。日本国憲法は、国民主権を基本的人権の尊重、平和主義と並ぶ基本原理の一つとしています。

憲法前文1段は「主権が国民に存することを宣言」し、憲法1条も「主権の存する日本国民」という表現を用いています。国民主権は、国の政治について、最終的に決める力が国民にあるという意味です。

主権には3つの意味がある

「主権」という言葉は、文脈によって次の3つの意味で使われます。

①国家権力そのものとしての主権(統治権)

主権は、国家が政治を行うための権力そのものを指すことがあります。具体的には、立法権・行政権・司法権を総称する統治権です。ポツダム宣言8項の「日本国ノ主権」という表現は、この意味に当たります。

②国家権力の属性としての主権(最高独立性)

主権には、国家権力が最高かつ独立したものであるという性質を表す意味もあります。憲法前文3段の「自国の主権を維持し」における主権が、この意味です。①が権力そのものを指すのに対し、②はその権力の最高性・独立性を示します。

③国の政治のあり方を最終的に決定する力(最高決定権)

主権は、国の政治のあり方を最後に決める力、つまり最高決定権を意味する場合があります。憲法前文1段の「主権が国民に存することを宣言」や、1条の「主権の存する日本国民」における主権は、この意味です。国民主権で問題となる主権は、この最高決定権を指します。

主権の意味 内容
国家権力そのもの 立法・行政・司法を含む統治権
国家権力の属性 国家権力の最高性・独立性
最高決定権 国の政治のあり方を最終的に決定する力

国民主権には「権力的契機」と「正当性の契機」がある

権力的契機とは、国民が最終的な決定権力を行使する側面

権力的契機とは、国の政治のあり方を最終的に決定する権力を、国民自身が行使するという側面です。国民主権に含まれる、国民が政治の決定に関わる「権力」の要素であり、主権の③である最高決定権と結び付きます。

正当性の契機とは、国家権力の究極的な根拠が国民にある側面

正当性の契機とは、国家の権力行使を正当づける究極的な権威が、国民にあるという意味です。つまり、国家権力の行使が正当だと認められる最終的な根拠が国民にあることを示します。

要素 内容
権力的契機 国民自身が政治のあり方を最終的に決定する
正当性の契機 国家権力を正当化する究極的な権威が国民にある

まとめ

国民主権とは、国の政治のあり方を最終的に決定する力が国民にあることです。主権には、①国家権力そのもの、②国家権力の最高性・独立性、③最高決定権という3つの意味があります。国民主権で中心となるのは③の最高決定権であり、そこには、国民が決定権力を行使する「権力的契機」と、国家権力の究極的な正当性が国民にある「正当性の契機」が含まれます。